内容説明
人間の身体は、たんなる生体システムではない。人は身体という座において、世界と関係を結び、他者と出会い、そして触れあい、ついには「私」を立ち上がらせる。私たち人間は、「身体をもつ」のではない。むしろ、「身体として・いる」存在なのである。他者とのかけがえのないかかわり=「エロス」を軸に、身体の人間論的な意味を徹底して考え抜く。
目次
序章 哲学者たちの身体論
1章 「身体として・いる」私(「いる」と「ある」;私は身体で「ある」のか、それとも身体を「もつ」のか)
2章 身体は意味の体系である(身体の機能的な意味;身体の人間関係的な意味)
3章 性愛的身体(「性欲」概念の観念的性格;おとこ身体・おんな身体)
4章 働く身体・権力と身体(社会秩序の根源としての労働;権力と身体)
5章 死ぬ身体(病気・障害・老衰;あなたの身体はあなたのものか)
著者等紹介
小浜逸郎[コハマイツオ]
1947年横浜市生まれ。横浜国立大学工学部卒業。批評家、国士舘大学客員教授
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感想・レビュー
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Susumu Yoshimoto
1
人間が身体をもってこの世に存在することにおいて避けられない課題は、すでに繰り返し述べたとおり、愛と労働と権力と死である。2017/11/05
nappyon
0
前半、体と身の違い(「身も心も」といった表現などから)について述べている部分やメルロ=ポンティらの身体論について述べている部分は面白かった。ただ、途中から男女の身体の差や売春などなどに言及し始めるとなんだか「ん?女性の身体ってそんな風に捉えられちゃうの?」という気持ちになってしまった。というわけで実は後半は流し読みだったりする…。前半はなかなか面白かったので、機会があればまた読みたい。2012/05/12
暇さえあれば
0
読んではみたものの、、、難しすぎた。何も残ってない。2021/06/24