内容説明
京都議定書―その美しい理念には誰もが賛同する。だが今、この理念の実現が危ぶまれている。京都会議議長国として自ら「不当な」CO2削減義務を背負い込んだ日本。負担による社会停滞を回避すべく議定書を離脱した米国。各国の「国益」をにらんだ計算が錯綜する中で、たった今も環境破壊は進んでいる。今必要なのは、京都議定書の見直しと、エネルギー・環境施策を民主的な姿へ転換することである。温暖化対策と社会発展の調和を考察する。
目次
第1部 何を得て、何を間違えたのか―京都議定書と日本(CO2規制社会の始まり;賞賛のあとの混迷;京都会議後の日本)
第2部 京都議定書が変える日本社会(なぜ地球温暖化を問うのか;生活からの温暖化防止;経済界の期待と不安;新エネルギーは解決策か)
第3部 CO2規制社会の展望(起こりうる近未来;地球温暖化防止のために何ができるのか)
著者等紹介
石井孝明[イシイタカアキ]
1971年東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。96年時事通信社入社。経済部、大阪支社編集部を経て、現在は商品経済部、東京工業品取引所担当。これまでの担当は、為替・証券・商品の各マーケット、金融、エネルギー、化学・製薬業界など
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感想・レビュー
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佐島楓
15
「原発を語るときに、京都議定書の義務を持ち出すようになった」というふうに口実に使われていたとは・・・。一方二酸化炭素削減商品が多くビジネスとして成り立つようになってきた昨今、未来は明るいとは言えないだろうか。「国民ひとり一人が排出源」であるという意識は持ち続けていたい。2013/06/21
かろりめいと
3
最近はスーパーのレジ袋が有料化になり、何かとSDGsやらカーボンニュートラルなどの言葉を聞く。ということで環境問題の国際政治学の復習。日本、EU、アメリカ、途上国の政治的思惑がよく分かりました。これからトヨタなどの自動車産業はどうなるんでしょうか。これがなくなったら日本経済は厳しいのでは?とても面白かった。2021/03/24
じょに~
3
京都議定書の約束期間は来てしまった。京都議定書はエネルギー効率の良い日本にとっては確かに辛いものだっただろう。しかし、今現在もCO₂の排出は続いているのだ。今が良くても今後の将来を担う若い世代にとってはより高い壁になってくるだろう。だからといって、現在の経済を圧迫することは難しい。人間に利己的な部分がある以上CO₂の排出を減らすことは難しい問題だろう。「今、私たちにできることは何だろう??」と考えさせられました。2012/03/04
toro
0
(No.136)
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- 和書
- 分子薬物動態学