平凡社新書
江戸庶民の旅―旅のかたち・関所と女

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  • サイズ 新書判/ページ数 227p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582851489
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0221

内容説明

江戸時代、それは農民や町人などの庶民が日本国中を盛んに歩きまわるようになった時代だった。彼らはどのような動機で、どのようなかたちの旅をしたのか。人びとの旅装や費用、宿場の実態、往来手形などから、困難を伴った女性の旅、立ちはだかる関所との軋轢まで、江戸の旅人の姿を明らかにし、旅が庶民を変えていった背景をたどる。

目次

第1章 庶民の旅(庶民の旅が可能になった時代;宿場の実態;旅の準備;旅に出る)
第2章 関所を通る(関所とは;関所手形の申請から発行まで;実際の取り調べ;関所の余得)
第3章 旅する女性たち(女性旅行者の増加;関所破り;関所抜け)
旅は庶民をどう変えたのか―むすびに代えて

著者等紹介

金森敦子[カナモリアツコ]
1946年新潟県中蒲原郡横越町生まれ。国学院大学文学部卒業。著書に、『江戸の女俳諧師「奥の細道」を行く』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

misui

4
当時の旅の実態がよくわかる。特に関所と女性の扱いについては、ぼんやりと江戸時代の旅を自由で気ままなものと考えていたので、その理不尽なまでの厳しさには驚いた。道の通行さえままならなかった時代の人々の世界の大きさに思いを馳せる。2015/11/23

BOX

2
"おそらくこの農民にとって初めて見る外国人だったろう。それなのに臆する態度は微塵もない。故郷に帰って夷人に話しかけたことを自慢しようとしたのかもしれないが、なんでも見、なんでも体験してやろうという姿勢は、この旅で彼は一まわりも二まわりも人間を大きく成長させたに違いない。"2013/09/28

きゅー

1
前読んだのと重なる部分も多かったけど、こちらは関所を抜けることにけっこうなページを割いて詳しく書いてあって、これはこれで面白かった。2016/11/17

主任のデリちゃん

1
知らない土地へ行くという事は今も昔も変わらずワクワクする事なんだよな。関所手形は現在の外国に行くためのビザのような物で当時のそれの取り方や密入国風の仕方などが書かれていてとても興味深く読めました。2014/05/20

編集兼発行人

1
江戸時代における人々が長旅に出る際の顛末に関する解説。貨幣経済の成熟に伴い収入が複線化してゆく庶民の人生における覚悟のイベント「旅行」により宿飛脚駕籠講等々の関連産業が街道筋で隆盛。政情の安定化により関所の役割が形骸化してゆく中で発生する官「袖の下」と民「抜け道案内」によるスリリングな難所越え。識字率の向上を背景にベストセラー化する旅行記をはじめ旅先情報の浸透が掻き立てる名所への欲望。旅先で病に倒れ時には死亡に至った場合における官民挙げてのアフターケア。諺「旅は道連れ世は情」の背景が詳らかに著された良書。2013/02/20

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