内容説明
「暴君」なんて昔の存在、「暴政」なんてよその国のこと…。ほんとうにそう言い切れるだろうか?真の暴君は暴君であることを隠す。それを見破る目をもたなければ、あなたは知らないうちに暴政のなかにいる。アリストテレス、オッカム、『葉隠』、吉田松陰など、古今東西の政治思想家の「筆の闘い」の軌跡をたどり、反「暴君」の論理=「共通善」の思想をさぐる。
目次
第1章 「暴君」は今もいる
第2章 暴政とは何か
第3章 暴君放伐論
第4章 不正権力の矯正
第5章 共通善思想と日本
終章 比較政治思想史という視座
著者等紹介
将基面貴巳[ショウギメンタカシ]
1967年横浜市生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。英国シェフィールド大学歴史学博士課程修了(Ph.D.)。専攻は政治思想史。ケンブリッジ大学クレア・ホールのリサーチフェロー、英国学士院中世テキスト編集委員会専属研究員を歴任。現在、カナダのトロントで研究・著作に従事
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感想・レビュー
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香菜子(かなこ・Kanako)
29
反「暴君」の思想史。将基面貴巳先生の著書。暴君による暴政に対して原理原則を持って立ち向かう社会であることが必要。言うは易く行うは難しだけれど。暴君のような政治家が増えている現代だからこそ反「暴君」の重要性が高まっているはず。2018/08/16
depo
2
積読本。もっとヨーロッパにおける「暴君放伐」の思想・歴史が語られるかと思って購入したのだが。2021/02/15
左手爆弾
1
後半の方はやや面倒だが、全体的にはいい本だと思う。基本的には日本の政治思想や倫理思想と西洋の古代から中世の政治思想と対比させながら進んでいく。中世の政治思想について気軽に手に取れる本は少ないので、貴重。日本には西洋政治思想の伝統では必須である「共通善」の思想がない。元になった中国思想にもあった「革命」の思想が、吉田松陰ら明治維新の志士となると、「天皇が愚かな幕府を裁く」という上から下への改革に変質してしまう。暴政を単なる悪政ととらえず、「共通善」の思想で考えたことが、本書の優れた点であろう。2014/11/13
かわのふゆき
0
前書きは落ち着いたトーンだったのが、本文はまさに「暴君」のノリ。現代に引き付けすぎなのかも。作者はヒントや考え方を提示するだけでよくて、あとは読み手が自分で考えればいいことなんじゃないかと。「しょうぎめん」さんという苗字は初めて見ました。2010/03/03




