平凡社新書<br> 大江戸奇術考―手妻・からくり・見立ての世界

平凡社新書
大江戸奇術考―手妻・からくり・見立ての世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582850833
  • NDC分類 779.3
  • Cコード C0276

内容説明

手妻と呼ばれる日本独自の奇術が花開いた江戸時代、一文銭や紐を用いた趣味人の座敷手品、芝居小屋での脱出奇術や水芸などプロの大業と手練奇術、そして、精妙なからくり人形や歌舞伎舞台の大仕掛けまで、日本人は創造的で楽しいトリックに満ちた芸能を作り上げていた。江戸の人たちを魅了した欺しと洒落のマジック世界を、ミステリと奇術の達人が案内する。

目次

奇術前史
放下と幻術
はじめての奇術書『神仙戯術』
趣味人の座敷手品
プロの舞台奇術
江戸の手練奇術
からくりと時計
江戸の怪奇趣味
歌舞伎のからくり
奇術と料理
伝承の奇術
世界との交流時代へ

著者等紹介

泡坂妻夫[アワサカツマオ]
1933年東京都生まれ。小説家。紋章上絵師の家業を続けながら小説を執筆し、76年に「DL2号機事件」で推理作家としてデビュー。代表作に、『乱れからくり』(日本推理作家協会賞、角川書店)、『折鶴』(泉鏡花文学賞、文芸春秋)、『蔭桔梗』(直木賞)、『家紋の話』(以上、新潮社)、『亜愛一郎の狼狽』(東京創元社)、『奇術探偵曽我佳城全集』(講談社)など。奇術家としても知られ、石田天海賞を受賞
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

10
江戸に花開いた手品、からくり、歌舞伎の仕掛けの世界。クロースアップ・マジックの技法などが既に高度に完成されていたという驚きと、また様々な奇術解説のなかにオカルトだか呪術めいた頓珍漢な出鱈目も混じっているという点に失笑した。2014/06/08

タリホー

4
日本の奇術及びからくり技術の歴史を江戸時代の文献を中心にして紹介。古くは卑弥呼の時代の呪術に触れながら、奇術が大衆文化として広まった様子を書いている。本書で紹介されたトリックは現在のマジックの原点といえるようなものから実践してみないと真偽の程がわからないような眉唾モノまであり、また文章だけではなかなかイメージしにくいものもある。からくり技術は歌舞伎とも縁が深いようで、紹介された中で見てみたいと思ったものが幾つかあった。非常に面白い奇術史の概略書であった。2016/04/22

A.OKADA

1
タイトル通り、泡坂妻夫が江戸時代の奇術の歴史を解説していく本。手品の技術は年々進化していくけれど、通底するミスディレクションの手法は昔から変わっていなかったりするものもあるので、現代との比較で眺めていくと面白い点が多かったです。2023/04/19

木倉兵馬

1
江戸時代までの見世物の歴史を簡単に振り返る一冊。加藤段蔵の呑牛の術が案外しょっぱい方法でできるかもしれないと知ってしょんぼりしましたね……。とはいえ、内容は良かったです。当時の奇術解説の書籍には巻末に呪符が記載されているなど、江戸時代は必ずしも手品と呪術を分けていなかったことを知れたのは有益でした。トリックも手わざだけでなく魅せ方が大事というのもいい知識です。2021/04/30

MasakiZACKY

1
奇術に関する日本の昔の文献を紹介しつつ、奇術の変遷を追った一冊。昔の人の発想力や想像力は本当に凄い。ほとんど魔法じゃないかっていう逸話もたくさん残っているけど、それも想像力の賜物。馬腹術や馬呑術の仕組みを見事に解明してしまう筆者もすごい。霊を呼び出す奇術をしたせいで磔刑にされたとか、当時の奇術師はたいへんだ。当時の文章をそのまま引用していたり、解説が少し粗目だったりで読みにくい面もあるけれど、それ以上に面白かった。「陰陽師が実は…」ていう話もあるので、夢を壊したくない人にはお薦めしない(笑)。2015/03/06

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