内容説明
私たち現代人になによりも尊ばれている「健康」。しかし「健康」という言葉も、からだを鍛える「体操」も江戸時代には存在しなかった。西洋医学の流入、徴兵制のはじまり、身体検査の普及など、近代化の過程で、日本人のからだはどう変わっていったのか。さまざまなエピソードでつづる「健康」の歴史。「健康」はどうつくられたのか?江戸から明治、からだの文明開化を探訪する快著。
目次
第1章 「健康」はどこからきたか(西洋医学と健康概念;福沢諭吉の「健康」観)
第2章 健康法は誰を対象にしたのか(体操の起源と徴兵制;体操の大衆化)
第3章 江戸から明治、からだはどう変わったか(「身」と「身体」の比較;養生か、健康か)
第4章 健康を測るものさし(大衆化するからだ;健康の測りまちがい)
著者等紹介
北沢一利[キタザワカズトシ]
1963年静岡市生まれ。筑波大学大学院体育研究科健康教育学修士課程修了。95年より北海道教育大学釧路校助教授。生理学を原点とし、物理学や医学などの自然科学と、政治、文学、歴史などの人文・社会科学を橋渡しするような学際的研究にとりくむ。現在、国際日本文化研究センター研究員
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感想・レビュー
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いすけ
1
「健康」という訳語定着の経緯とその語の表す内容。これは予想通り。 この健康という訳語を一般に広めた福沢諭吉の健康観と、その思想の変遷。…個人が自立することを目指した『学問のすゝめ』から、ひとりひとりの自立をあきらめて、国家主体で国民を活用していくという方向に舵を切った福沢諭吉さん。 前半の、身体の諸機能が客観的に問題のないのが西洋医学の訳語である「健康」で、自覚的に元気で問題のないのがそれまでの「健やか」とかいうことだった、という、その東洋的な「健やか」で「元気」な状態を私は維持したいと思っている。2021/04/21
さとー
0
思ったよりおもしろくなかった(>_<)物事を知るきっかけのたぐい。。。本にするのは時期尚早だったのかも??2012/10/16
MIRACLE
0
3点(5点満点)。近代日本が健康という考え方と、それに立脚した運動(体操)をいつ、どのように受け入れたかをまとめた本。ピント(論旨)もずれているし、論述もうまくない。とりあげた話題が、作者の手に余るという印象を受けた。2012/02/21