平凡社新書
墓をめぐる家族論―誰と入るか、誰が守るか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582850628
  • NDC分類 385.6
  • Cコード C0239

内容説明

あなたが死んだら、誰がお墓を守ってくれますか?もし「あなたと一緒のお墓はいや」と妻に宣告されたらどうしますか?そもそもお葬式やお墓は、自分の「人生」の一部なのでしょうか?樹木葬、生前契約、遺言ブームなど、「死後の自立」をめぐる大変動を通して日本の家族のこれからを考える。ついにお墓が動き出す?揺らぐ家族と社会の根っこに迫る。

目次

第1章 死後離婚―「夫と一緒の墓に入りたくない」妻たち(「妻は夫の家墓に入る」神話の崩壊;死後離婚をとげた妻たち;家を脱ぎ捨てる妻)
第2章 死後の人生―変わる日本人の先祖観(「家」と先祖祭祀の関係;現存する葬祭の源流;政府に翻弄された仏教と家と先祖観)
第3章 死後の家族―「家の墓」はどこへ行くのか(産業化は家族と墓をどう変えたか;家族と先祖祭祀はどこへ行くのか;家族も暮も一代限りか)
第4章 死後の自立―葬送を自ら準備する人たち(「継承者を前提にしない墓」の出現;葬送と死後の「生前準備」;エコロジーから自然に還る葬法)
第5章 死後の個人化―私の葬儀プラン(個人化する家族と墓;個人化する葬送;「死」と「葬送」の生前準備;私たちの葬儀プラン)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

54
【夫と一緒の墓に入りたくない妻たち、生前葬を済ませた老夫婦、樹木葬を選ぶ人……】最新の葬送事情を交えながら、墓をキーワードに日本の家族のあり方を考えた新書。2000年刊ですが、お薦め。巻末に参考文献。<かつての「家」は、家系上の先人である先祖を祀り、世代を超えて永続することが期待され、またそれを可能ならしめる「継承性」に際立った特質があった。ところが戦後、核家族化が進み、家族が不連続化しているにもかかわらず、依然として墓は継承システムをとっているため、墓の継承困難を引き起こしている>と。確かに、そう!⇒2024/04/06

Tsuka

3
そろそろ墓が気になって、寺の檀家になるつもりは毛頭ないし、市の霊園に電話したところ既にいっぱい、空きも出ないとの事。本書を読むと墓を建て始めたのは江戸の中頃。それ以前は墓はなかった。 やっぱり墓はいらないか…核家族化で継ぐ人も参りに来る人もいなくなるかも。 海への散骨は寒そうなので、樹木葬がいいな…と思った次第。2018/01/21

makimakimasa

2
庶民の墓の期限は江戸時代中期で、当初は土葬の個人墓(戒名)であったのが、明治民法による家の法制化と火葬の普及によって、家墓(○○家之墓)へと変化していった。ご先祖様は天国、仏壇、お墓のどこにいるのか?という素朴な疑問はもっとも。死後のライフサイクル(三十三回忌あるいは五十回忌で弔い上げとなり、死霊から祖霊へと格上げされる)にしても、日本人の絶対的な先祖崇拝が表れている。自然葬に関して、本来埋葬は墓地以外の区域では法律上禁止されているが、遺骨を撒く散骨は埋葬に当てはまらないとの法解釈で突破されているらしい。2015/09/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/231057
  • ご注意事項