平凡社選書<br> 戦争が巨木を伐った―太平洋戦争と供木運動・木造船

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平凡社選書
戦争が巨木を伐った―太平洋戦争と供木運動・木造船

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  • サイズ 46判/ページ数 528p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582842364
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0021

出版社内容情報

第二次世界大戦中、鋼船を失った日本は木船の増産を企図。個人の屋敷の巨木までを供出する「翼賛運動」が起こされる。木と木の船をも総動員する日本の戦争の知られざる実態!

内容説明

ガダルカナルの敗戦が決定的になった1943(昭和18)年2月、日本政府は国内で「軍需造船供木運動」を開始する。急速に進む鉄の不足を補い、木が戦争資材として浮上する。政府は鋼船に代え木造船を緊急増産するため、山林だけでなく平地の巨木・大木にも目をつけた。一斉に屋敷林・社寺林・並木・公園・海岸林の木々の伐採供出運動が展開される。一方国内や東南アジア各地では木造船工場が新設され、規格化・簡略化された「戦時標準型木造船」の大量生産が始まる。何十年、何百年、人々の暮らしと共にあった身近な木はこうして船になったが、果たしてどれだけ役に立ったか?―知られざる戦時の木の総動員体制と木造船建造計画。日本における樹木と人の関係史上まれに見る危機的局面を、中世史家がはじめて明るみに出す、前人未踏の歴史分野の開拓。

目次

はじめに それは一学生の卒業論文から始まった
第1部 供木・献木(太平洋戦争と「軍需造船供木運動」;供木・献木「魁」の大ケヤキ;「率先垂範」する天皇・大社寺;「巨木挙つてお召しに応じよう」;軍需造船供木運動の全国的動向;官製「国民運動」の理想と現実;メディア・文化人の動員)
第2部 木船(木船に賭ける日本;木船造船所の数と分布;木船造船所の視察と業界の提言;漫画家の『僕の木船見学』を読む;木船は活躍できたか)
第3部 木の終戦(伐採された木の行方;伐採を免れた巨木・大木)
おわりに 「木の事件史」を記憶する

著者等紹介

瀬田勝哉[セタカツヤ]
1942年生まれ。大阪府大阪市出身。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。武蔵大学名誉教授。専攻は京都中世史、木の社会史・文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

79
戦争中の資料がかなり散逸消失した中で、懸命に博捜された労作である。資料も豊富。巨木に限らず日本の森林や木々に関心があり、巨木などに纏わるちょっとした戦争秘話を楽しむつもりが、その内容の充実ぶりにじっくり読み浸ることになった。寺社の貴重な古木や屋敷林の巨樹などが(大政翼賛会などを通じての)実質国の命令でどんどん伐採される中、日光の杉並木や箱根の杉並木が残った秘話は面白かった。ある意味、奇蹟かもしれない。2021/04/15

まさこ

14
たいへんな労作(前書きの教え子の卒業論文を引き継いだ経緯が真摯。物事への姿勢は透明な眼でありたい。専門外でも5年程でまとめ上げる優れた研究者)。木造船の技術や統計も。でもやはり、供木献木、当時の様々な立場の人々の息づかいが聞こえてくるところ。写真資料も迫るもの。枝を落とした伐採前の巨木が、切腹前にお清めした武士のよう。子どもの日記も秀逸。あくまでも善意から、先祖伝来の木も出そうという雰囲気をつくる、翼賛的な機運の創出はこのように。「王様は裸だ!」と言える世の中でありたい。木ゼミ、入ってみたかったな。2023/06/11

アメヲトコ

11
21年1月刊。1943年、太平洋戦線への物資輸送のために大量に建造された木造船に注目した一冊。村々の屋敷林や並木がいかにして「自主的に」供出されていったか、造船はいかなる場所でどのようになされたのか、造られた後の船はどうなったのかを、戦時中の極秘資料、現地調査、関係者への聞き取りなどを交えて明らかにしています。著者は本来日本中世史が専門ですが、教え子の御手洗文さんの卒論をもとに、彼女の研究を(了解のもとに)引き継いで完成させたとか。関係者も物故し記憶も喪われていくなかで調べ上げた著者の思いに打たれます。2021/09/04

Toska

8
知られざる木造船建造の歴史に踏み込んだ労作。当局が国民運動として盛り上げようとした供木キャンペーンのみならず、造船所の再編や行政のテコ入れなどテーマに多様性がある。一口に「総力戦体制」と言っても、そう簡単な話ではなかったようだ。木造船を通してこれほど多くのものが見えてくるとは正直意外。供木運動で存在感を発揮する翼賛壮年団(大政翼賛会の下部組織)なんか、恥ずかしながらその存在すら知らなかった。2022/08/03

ムチコ

8
第二次大戦中、金属が不足する中で木造船の需要が急増し、各地の屋敷林や並木から巨木を供出する動きがあった。供出の状況を「させる」側「させられる」側の両面から丹念に追い、さらに供出された木材がどの程度木造船として役立ったか、戦後それらの船や使われなかった木材、伐られなかった木がどのような経緯をたどったかまでを、失われていく人々の記憶や資料から丹念にたどる。このような動きがあったことに疎かったのでテーマとしても興味深かったし、「調べる」ということがどういうことかを身体を張って示した書とも言える。2021/09/18

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