内容説明
アドルノ生誕100年に当たる今年、皮肉にも「文明」が「野蛮」と名指すものの殲滅を目指し、啓蒙(文明)の野蛮への転落を説いたアドルノの「啓蒙の弁証法」の正しさが証明されようとしている。かつてアドルノが直面した歴史がそう呼ばれたように、現在の人間理性にとっての「危機の時代」は、アドルノの過酷なまでの「近代」批判をくぐりぬけることによってしか、新たな地平を切り拓くことができないのではないだろうか。本書では、こうした問題意識を共有する、哲学、文学、音楽の領域にわたる8人の研究者が、アドルノが遺した峻険な思想の稜線に挑戦する。
目次
アドルノ再読―ワーグナーと小林秀雄をめぐって
アドルノのユダヤ的背景
アウシュヴィッツ以後、詩を書くことだけが野蛮なのか?
“自然史”の理念再考
インテルメッツォ風に アドルノの通奏低音
グローバル化時代のアドルノ理論―“音楽と自然”の問題を中心に
アドルノの聖戦―一九三六‐一九六二
隠喩としての光耀―アドルノとドイツの詩人たち
キルケゴールとアドルノ
著者等紹介
徳永恂[トクナガマコト]
1929年生れ。大阪国際大学教授、大阪大学名誉教授。哲学・社会思想史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 土木施設復旧工法設計要覧
-
- 和書
- ゴルドーニ傑作喜劇集