内容説明
日本留学中、魯迅は母の主張で見知らぬ女性を娶る。その旧式の結婚は、やがて魯迅に、自己と中国社会と近代に関わる重い自覚と断念を強いる―妻・朱安の存在の思想的意義を初めて捉え、母や弟・周作人らとの関係を読み解きつつ、魯迅の独自な歴史性に迫る。
目次
孤星と独絃
魯迅とエロス
ふくろうの声―朱安と魯迅
范愛農
一通の手紙
短篇「明日」より
道聴塗説―周氏兄弟の場合
魯迅における「文人性」
著者等紹介
中島長文[ナカジマオサフミ]
1938年生まれ。京都大学文学部卒業。滋賀大学教授等を経て、現在、神戸市外国語大学教授。専攻、中国文学。
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