感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
3
ノヴァーリスとシュレーゲルらを中心にドイツ初期ロマン主義の歩みを描いた一冊。物語風に俊英たちの軌跡をたどることで、運動の展開と意義がわかりやすく示されている。教会の失墜やフランス革命などで「個」がクローズアップされた18世紀、従来とは違った形で世界をとらえる方法が模索された。無限への憧れ、ポエジー、百科全書的な知からなるそれは、ひとつの運動として地歩を固めていく。友情あり悲劇ありの熱い本です。2012/04/23
こたろー
3
ノヴァーリスを中心にドイツ初期ロマン主義の誕生と、それを担った各人の青春や交友を、彼の死に至るまで、物語の体裁をもって見事にあらわしています。実際の資料を参照しているので、創作というよりはある種の伝記というべきでしょう。普段お目にかかることの難しい手紙や、知ることの無いようなエピソードが多く、ありがたい限りであります。伝記的小説としても存分読めますし、BL要素も夥しいですので、文学好きな腐女子の方なんかは感涙ものじゃないでしょうか。2011/09/30
iwri
2
ノヴァーリスを主軸にして、シュレーゲル兄弟・ティーク・ヴァッケンローダー・シュライエルマッハら初期ロマン派(イェーナサークル)の歴史的経緯を伝記小説風に描いた作品。厳密さの意味では多少劣るところがあるにせよ、著者のテクストは読みやすく、よいノヴァーリス入門・初期ロマン派入門と言える。ノヴァーリスのテクストに親しんだ人にとっては、引用以外のところでもあちこちにノヴァーリスの思想の断片を見いだせる。参考文献表を見ても分かる通り、その意味では、見た目よりはるかにしっかりとしたロマン派本である。2012/05/19
stray sheep
0
小説仕立て(?)で読みやすい。人物、時代関係をざっと理解するにはこれくらいが良いのかも。2025/01/06