平凡社選書<br> 「太平記読み」の時代―近世政治思想史の構想

平凡社選書
「太平記読み」の時代―近世政治思想史の構想

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582841923
  • NDC分類 311.21
  • Cコード C0193

内容説明

江戸前期、民衆相手の『太平記』講釈が爆発的に流行する以前、大名や武士相手に講釈する「太平記読み」たちがいた。その講義のタネ本は『太平記評判秘伝理尽鈔』。『太平記』の描く人物や事件を論評し、膨大な別伝を付け加えたこの本は、楠正成を理想の為政者=仁君として描き出す政道の書でもあった。そしてそれは、戦国武将から藩の為政者へと変身を余儀なくされた大名たちに幕藩体制確立のマニュアルを伝授し、思想家たちに、こぞって楠正成を持ち上げさせるほどの決定的な影響を与え、版行されるや、口承の伝達回路をも稼働させて、民衆の「修身斉家」のための強力な指針へと読み替えられる。つまり『理尽鈔』は、この時代・社会の政治に関する共通認識を形作ったのである。江戸の政治思想の基軸は、朱子学などではない。「太平記読み」の思想こそが江戸の秩序の根幹である!―従来の思想史、近世史の通念を一新する、大胆かつ綿密な画期的論考。

目次

序 「太平記読み」研究序説―近世初期における「国家」と「仏法」
第1部 「太平記読み」と近世の政治思想
第2部 「太平記読み」と領主層の思想―幕藩領主の思想史的研究序説
第3部 「太平記読み」と民衆の政治意識―「太平記読み」を軸とした政治思想史
終章 「太平記読み」から安藤昌益へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

恋愛爆弾

11
注目すべきは、「自ノ合点」を重要視し主従関係の功利性を徹底的に批判し「コノ(自ノ)合点ナケレバ、一生ノ間ウロツキ、人ヲ頼ミ世ニ求メ、甚キハ神仏ニ禱リ、シツカリト我独オチツクコトナシ」として楠正成や吉良邸討入りを批判した佐藤直方だろう。それも徹底して自発的な「忠」=臣従を構想したことではなく、「自」の有限性について考えるとき、直方の無謀な試みは意味を持つ。現代では、直方の試みはやがて無限の自己規定とそれにつけ入る権力に回収されるという前提からもう一度、主従関係にとらわれない有限の功利性を構想する必要がある。2024/12/28

空木モズ

0
「太平記読み」が近世の日本へ与えた影響について書かれた本。主に『太平記評判秘伝理尽鈔』を「太平記読み」の媒体とし、政治思想への影響を論じている。政治思想の中心には『理尽鈔』があったのではないかと示唆している。2015/12/08

a

0
太平記ってほんと複雑な史料だから困る。2014/10/31

akuragitatata

0
抜群に面白かった。のだけれど、2009/06/23

gkmond

0
面白いは面白かったけれど、「太平記読み」の思想がどのように民衆の牙を抜いたかって方面がノータッチだったような。なんでも修身の参考にしてしまうのはこんな時代からだったのかと嫌な気持ちにもなった。論考自体は力作。ただおれが知りたいこととはずれていた。2023/06/03

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