内容説明
現在のわが国の土地所有のあり方は、人間の生活を貧困に追いやり、一方では自然としての土地を破壊しつつある。こうした土地所有のあり方をもたらした歴史的原因は、近代日本の出発の時点にまで遡ると思う。すなわち明治政府による近代的土地所有権の実現過程のなかに、第一の原因があるのではなかろうか。
目次
1 土地は誰のものか―明治初めの土地所有観
2 農民の立場から―幕末・維新期の土地所有
3 土地の結びつき―幕末・維新期の土地所有
4 「近代」を創り出す―近代的土地所有
5 所有が土地を切断する―近代的土地所有権の実現過程