出版社内容情報
SNSで話題となった著者の父のスケッチブックを題材に、戦中?戦後を生き抜いた一市民=父親の姿を振り返りながら、昭和という激動の時代を活写。イラスト多数収録!
内容説明
作者の父、ひとりの男が描いた戦争、そして昭和の激動―。“あのころ”の空気が伝わるイラスト多数収録!
目次
プロローグ 蠍座の父
第1夜 つい昨日のできごと―『アップルソング』
第2夜 軍国少年ができあがるまで、あるいは軍国少年の作られ方
第3夜 「レェイディオ」で聞いた「デス・バイ・ハンギング」
第4夜 働く者の幸いを―ブルーカラーの青春
第5夜 こけし人形と白い橋
第6夜 父と娘の昭和草紙―愛の重さ
エピローグ がんばれテレさん
著者等紹介
小手鞠るい[コデマリルイ]
1956年3月、岡山県備前市生まれ。伊部小学校→中山小学校、中山中学校、岡山県立岡山朝日高等学校、同志社大学法学部卒業。1992年8月にアメリカに移住。1996年からニューヨーク州ウッドストック在住。児童書、一般文芸作品、ともに著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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fwhd8325
65
また、戦争に関連する作品を手にしてしまった。どの作品を読んでも、二度と繰り返してはいけないことだという思いは変わらない。むしろその思いは強くなる一方だ。小手鞠るいさんのお父さんの漫画は、コミカルに見えて、その時の現実を描いているから、その価値は大きい。私の父は、戦争の話は全くしてくれなかった、無言でいることもその苦しみを感じ取ることができる。この悲惨な歴史が再び起きないことを祈るばかりなのだが、足音が近づいているようにも感じられる。2024/11/26
あじ
23
父直筆のスケッチブックがある。今出版しないでいつ出す!?娘の小手鞠さんが実行しなければ誰が世に送る?御年90歳を超える父の、戦中戦後の人生スケッチを自身の記憶とともに紐解いていくエッセイ。近年は恋愛小説のみならず、戦争小説、海外暮らしの自然エッセイ、そして児童書にまで筆をふるうようになった心境を知るとともに、父娘の関係性を客観的に見つめる姿に頬が緩んだ。小手鞠さんが古希目前になって手繰り寄せた、父の歩み。私たちは耳を傾けるべきなのだ、先人の生きた言葉を。心象を。拓ける小手鞠さんのフィールドを注視していく。2024/10/28
ヒラP@ehon.gohon
20
父親、川滝喜正さんのスケッチブックと小手鞠るいさんの自分史をコラボレートしながら、私と同時代感覚の昭和史になっています。 懐かしくもあり、つい昨日の出来ごとのようでもありました。2025/01/05
朗読者
17
漫画家、、、の一歩手前くらいだった小手鞠さんのお父さんのスケッチブックでたどる昭和。昭和20年6月の岡山空襲に始まり、昭和53年4月の娘の就職先紹介までが、プロ顔負けの漫画とお父さんの言葉で綴られている。戦争体験から、天皇に、日本に、裏切られたという思いの強さが強烈に響いていた。源氏物語が大嫌いで、夏目漱石が大好き。東京裁判のデスバイハンギング。戦争反対者の広田弘毅さんが巻き添えで絞首刑にされたことは知らなかった。落日燃ゆを読まねば。2025/03/27
たっきー
15
著者の父(満州事変の起こった昭和6年生まれ)が残していたスケッチブックのイラストとそれにまつわるエッセイ。市井の人からみたその時代の様子がよくわかる。特に戦争の時代の記録は貴重。すでにこの父のスケッチブックをもとにした『川滝少年のスケッチブック』等出版されているようなので、それらも読んでみたい。2024/10/12
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- 和書
- 大猟奇 幻冬舎文庫