出版社内容情報
2019年12月、アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲医師。35年にわたってパキスタンとアフガンで人道支援にあたった生涯をたどりながら、その生き方、考え方を伝える。
内容説明
平和な世界をつくるには何が必要か。アフガニスタンで多くの命を救った中村哲医師の生涯に学ぶ。対象:小学校高学年以上。
目次
第1章 中村哲医師が世界に示した平和主義(戦争でテロはなくならない;イラク戦争支持への反省を怠った日本 ほか)
第2章 アフガニスタンでの三〇年間の苦闘(食べることこそが平和をつくる;食糧緊急支援に奔走 ほか)
第3章 中村医師が見たアフガニスタンの社会(アフガニスタンは世界一の親日国;広島・長崎への原爆投下に対する同情 ほか)
第4章 アフガニスタンの人びとは中村哲医師を忘れない(善き行いとは―ルーミーの詩から;多くの人に愛された「カカムラ」 ほか)
第5章 コロナ禍の世界は戦争の空しさを説く(「ブラック・ライヴズ・マター」;軍事費削減を求めるアメリカ国民 ほか)
著者等紹介
宮田律[ミヤタオサム]
1955年山梨県生まれ。現代イスラム研究センター理事長。83年慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程(歴史学)修了。専攻はイスラム地域研究、国際政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
95
改めて中村哲医師の素晴らしい人間性と業績に胸打たれる。上から目線の帝国主義的支援でなく、現地の素材で、現地の人と一緒に汗を流す姿が感動的だ。世界一の親日国であるアフガニスタン人の優しさと中村先生の愛が交わっている。表紙の写真がいい! 先生の一番好きな言葉「恕」が体現した笑顔である。先生が、火野葦平の甥で、「花と龍」の主人公は先生の祖父(火野の父)だとは知らなかった。本書はフリガナ付きで青少年向けのようだが、アメリカへの批判など政治的な主張が強すぎる気がする。国家の醜さでなく、人としての美しさを伝えたい。2021/06/15
☆よいこ
89
分類333。2019年12月に亡くなった中村哲医師の活動を紹介する。アフガニスタンでは40年以上戦争が続きている。「人が死んでいるところに爆弾を落としてどうなるんですか」「以一言生涯守るべきことありや それ恕ならんか」[1.中村哲医師が世界に示した平和主義][2.アフガニスタンでの三十年間の苦闘][3.中村医師が見たアフガニスタンの社会][4.人々は忘れない][5.コロナ禍の世界は戦争の空しさを説く]▽食べることこそ平和をつくる。ふりがな有り小学高学年~。2021年刊。2022/10/07
壱萬参仟縁
70
イラク戦争、アフガン空爆、限定的な集団的自衛権の行使、など、米国がアフガンで戦争を始めたことに、中村先生は激怒した。らい菌、コレラ感染症に闘った中村先生。本日の番組で取上げさせていただきました。というのも、現代社会の授業は、食料問題から生死の問題に移行する単元だからです。生徒にも中村先生がノーベル平和賞に値することを説明したいです。2022/05/07
kanki
27
水と農業を。芥子でなく、食料を。物でなく手段を。中村医師と伊藤和也さんに冥福を。2022/05/17
スー
27
100中村哲医師のアフガニスタンでの活動や考え方は何冊か読んだ本で知った事の復習という感じで読み進めました。改めて読むと危険な時期に用水路建設という困難な事業を行い砂漠を緑化し多くの農地を作り沢山の人達を帰農させ文化復活や子供の教育と多くの偉業を成し遂げたんだと実感しました。現状タリバンがアフガニスタンを支配した中で中村医師の残した物が残り続けるのかが心配です、法が機能せず治安を維持する組織が無いところでは人は奪いたい物は力で奪うし守りたい者は力で抵抗するしかない、無抵抗では奪われ失うだけだと思う。2021/08/17