出版社内容情報
一番身近な存在だからこそ悩む関係を末井さんが自身の体験をもとに真正面から語ります。高橋源一郎さん、植本一子さんとの対談付き。
内容説明
恋愛、不倫、金銭、性欲、エゴ、離婚、再婚…『自殺』で読者にやさしく寄り添った末井昭が、「結婚」をめぐる男と女の生き方を、誤魔化すことも、正当化することもなく、そのまま描き出す。「ウェブ平凡」人気連載、ついに書籍化!
目次
妻のもとから家出するまで
結婚の欺瞞
おぞましい性欲
新しい不安定な生活
嘘と自己嫌悪
自分しか愛せない
奥さんのところに帰ったら?
対談 恋愛と結婚と家族 植本一子さん
結婚と経済
カメレオンマン
不妊治療
結婚と恋愛
表現者同士の夫婦
自意識の束縛からの解放
女は男を愛せない
結婚の意味
著者等紹介
末井昭[スエイアキラ]
1948年、岡山県生まれ。工員、キャバレーの看板描き、イラストレーターなどを経て、セルフ出版(現・白夜書房)の設立に参加。『写真時代』『パチンコ必勝ガイド』などの雑誌を創刊する。2012年、白夜書房を退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
43
サイバラが書く末井はコミカルだったけど本人のエッセイは壮絶だった。片方の乳房を息子に吸わせ、もう片方を村の若者に吸わせていた母親は、若者とダイナマイト自殺した。村の痴呆の女性を抱いていた父親は、息子の嫁を抱こうとする。淫乱な血を受け継いだと信じる末井は、自分の性欲を恐れながら女性に溺れていく。評論家の坪内祐三の妻とダブル不倫の末に再婚する過程は、写真家でもある神蔵美子の写真集「たまもの」で知ってはいた。でも、末井から見えるのは圧倒的な虚無だった。両方読むと、同じ時に夫婦で全く違う景色を見ているんだとわかる2021/11/17
mincharos
34
婚や男女の違いみたいな本は色々読んでるけど、やはり私はこういう風なリアルな誰かの結婚生活について読むのが好き!それもいいとこばかりを切り取って、ではなく、そこまで書いちゃうの?!な感じの。植本一子さんとの対談も入ってて、末井さんは一子さんの「かなわない」の帯を書いた人らしい。この本を知ったのは花田奈々子さんの「シングルファーザーの~」でだけど、内田樹さんを知ったのは植本さんの本でだったんだよな。そんで本作の中で植本さんと末井さんが内田さんの「困難な結婚」について話してた。色々関係が繋がっていて面白かった!2021/01/03
阿部義彦
25
僕らがスウェイこと末井昭さんが「自殺」に続いて世に問う漢字二文字シリーズ今回は「結婚」です。重いテーマですが嘘の無い末井さんの手にかかればこんなにも誤魔化しの欠片も無い、面白くそしてホロリとさせられて最後には静かに腑に落ちる言葉の数々。神藏美子さんと二度目の結婚を(美子さんも現在の夫=私も好きな書評家のツボちゃん)される訳ですが、一人目の奥様との出会いと生活も赤裸々に隠すこと無く綴られています。千石イエスの直の指導と解釈は本当に説得力がありますね。付録対談の、植本一子と高橋源一郎もハマり過ぎてます。2017/06/04
まゆまゆ
10
幸せな結婚について考えるために筆者の結婚歴や女性歴を語るエッセイ。色々あって今は幸せ、という展開であまり響かなかったが、結婚の意味は「変わる」ことではないか、というところは気になったかな。子どもについて語る高橋源一郎との対談の方が参考になった(笑)2017/07/20
よー
8
著者はきっと魅力的な方なのでしょうが、こりゃ、もう、ダメ男さん。表現者、よりもダメ男っぷりが気になってしまいます。2017/12/08