出版社内容情報
日本にアメリカの前衛音楽を紹介し、現在でも旺盛な創作活動により世界の音楽界に影響を与え続ける伝説的巨匠・一柳慧の集大成。
一柳 慧[イチヤナギ トシ]
著・文・その他
内容説明
「熱い音楽を続けたい」戦後、アメリカの前衛芸術家ジョン・ケージらとの出会いから出発し、世界の作曲界を刺激し続けてきた音楽家・一柳慧。80歳を超えてますます冴えわたる革新性とそのスケールの大きさはどこから来るのか。今こそ旬の一柳が語る、知られざる創作の軌跡とこれからの音楽論。
目次
1 時代の証言者
2 追悼ピエール・ブーレーズ
3 メモリー・オブ・ジョン・ケージ
4 俳諧と音楽の創造性をめぐって
5 音楽に於ける空間と時間
6 鈴木大拙没後五〇年と現代
7 3・11後の音楽のために 片山杜秀×一柳慧
8 作品ノート
著者等紹介
一柳慧[イチヤナギトシ]
1933年、神戸市生まれ。作曲家、ピアニスト。作曲をジョン・ケージ、ピアノを原智恵子らに師事。1952‐61年、アメリカに留学。ニューヨークのジュリアード音楽院に学びながら、ケージらと前衛的音楽活動を展開。帰国後は、偶然性の導入や図形楽譜を用いた作品の発表のほか、日欧米の新しい音楽を紹介し、さまざまな分野に強い影響を与える。尾高賞(四回)、フランス文化勲章、毎日芸術賞、サントリー音楽賞など作曲による受章・受賞多数。2008年、文化功労者。現在、神奈川芸術文化財団芸術総監督(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
20
作曲家・ピアニスト一柳慧2016年著作。吉田喜重の映画を見て、その音楽をつけていた一柳慧に興味を覚えて本書を手に取った。1933年生まれでジュリアード音楽院で学び10年近く米国に居たらしい。12音技法に夢中になり自然音に惹かれ五線譜にこだわらない現代音楽作曲家らしいが、現在では現界を覚え、楽譜におろす音楽に回帰しているらしい。ずっと尺八等日本の楽器にこだわった曲を作曲してきている。映画でも尺八の音が印象的であった。メロディーと和音でないものを求めてきている様だが、一般的庶民のお好みとは自覚通り、外れるかも2023/03/04
忽那惟次郎8世
6
ドイツ系ユダヤ人 ヴォルペはアメリカ・ニューヨークに渡り そこでデイヴィット・チュードアやフェルドマンを教えた 一柳もその教え子の一人であることが前半の経歴の記載でよくわかる そして帰国後 徐々に前衛よりいわゆる譜面に書かれるような現代音楽に移行したのか その理由についても書かれている コンピュータ音楽に対する考え方 など興味深い 後半に片山杜秀との対談が掲載れているが 一柳のみならず片山の話もとても面白い この本が出された頃はまだCOVID19の災害前であるが あたかもそれを予測するような史観が語られる2020/05/16
Nepenthes
3
面白かった。ジョン・ケージに師事してからのエピソード、音楽の時間と空間の考え方など当時から現在に続く現代音楽の確かな道筋を辿ることが出来ました。思想やコンセプトから芸術を生み出すことが大切なんだなあと。2025/03/28
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