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出版社内容情報
憲法学者・樋口陽一が加藤周一と丸山眞男の「憲法論」と「思想」を再読しその本質を語る。
内容説明
いま、この危機と混迷の時代に、憲法学者・樋口陽一が、基本に立ち戻り、戦後日本を代表する英知・加藤周一と丸山眞男の「憲法論」と「思想」を再読し、その本質を語り尽くす。
目次
1 比較における「段階」と「型」―加藤周一「雑種文化」論から何を読みとるか(日本近代の理解に即しての段階と型;「雑種文化」論―その構造と戦略;「雑種文化」論―憲法論に即して)
2 憲法学にとっての丸山眞男―「弁証法的な全体主義」を考える(「弁証法的な全体主義」;「民族」国家と「国民」国家)
3 「個人の尊厳」=「憲法」―「外来」と「内在」の軋みの中で(加藤と丸山にとっての「外来」と「内在」;あらためて日本近代にとっての「個人」を遡る)
二人の先達へのオマージュ
著者等紹介
樋口陽一[ヒグチヨウイチ]
1934年、仙台市生まれ。憲法学。東北大学・東京大学・パリ第2大学・パリ第5大学・社会科学高等研究院(EHESS)・フリブール大学(スイス)・上智大学・早稲田大学で教授、客員教授を歴任。その間、1981年に国際憲法学会創設委員となり、現在、同学会名誉会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tachi
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日本国憲法と近代立憲主義について大変、参考になりました。2016/04/26
Tsuneyuki Hiroi
0
両者の思想を語りながら、氏の主張を展開している。両者とも近現代では欠かせない思想家である。騒がしく憲法論議がなされる今、その基礎的な本として読んでみても良いのではないかなと思う。2015/06/30
良さん
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加藤は「日本文化の雑種性」、丸山は「であることとすること」などで高校教科書の定番評論だが、近現代の憲法問題を考えるにはあらためて読み直したい存在だ。朝日新聞の書評にも取り上げられて注目の本。 【心に残った言葉】戦後政治のキーワードは何といっても「民主主義」だった。しかし、「立憲主義」は「民意」の表われの「票」を基礎にしている権力を含めて、およそ権力は制限されなければならぬ、ということである。(174頁)2015/05/13
Moloko
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憲法学者が二人の思想家について書いたもの。狙いとしては日本国憲法に読み込むべき思想を思考するためだと思う。 公共社会と個人の関係、大衆と知識人(と大衆化した知識階級)、日本の近代化と伝統文化等の論点を含んでいる。一番の眼目は、戦後日本を個人に放任的自由を与えるか、公共社会を支える担い手としての義務を負わせるかの緊張であろう。知識人の立ち位置が若干文章で宙に浮いているように私は思ったが2015/03/22
Hisashi Tokunaga
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樋口氏の直近の著作という事で読みました。加藤周一、丸山真男(眞男)にあまりなじみがない分、理解に苦しみました。安倍自民党の惨めな憲法改正政治シナリオに振り回された樋口氏が対峙、格闘してたのは加藤・丸山だったんですね。 このご両人の海外での評価を樋口氏はどう理解してたんだろう。そこんとこ押さえておかないと樋口氏のせっかくの格闘も・・・・・。加藤の型・段階は一昔の原理論、段階論、そして・・・。丸山の国家論は、確かに実証性あるいは社会学領域での陳腐性が目立ってるようなのだが。で何故、丸山加藤と格闘するのか?2015/02/26