出版社内容情報
木にまつわる物語・絵本を描きつづける作家いせひでこ。木と人とのまじわりを描いた珠玉の12編。木が放つ、いのちの輝きへの賛歌。
内容説明
スケッチ帖からこぼれでた12粒のおはなしのタネ。小学中学年からおとなまで。
著者等紹介
いせひでこ[イセヒデコ]
伊勢英子。画家、絵本作家。1949年生まれ、13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞を受賞したのをはじめ、絵本にっぽん賞、産経児童出版文化賞美術賞、講談社出版文化賞絵本賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
128
久しぶりにいせひでこさんの絵本を読みました。この本では木についてのさまざまな情景を描いてくれます。3.11で横倒しになったクロマツのきのつぶやきからはじまり青年あるいは祖父と孫、タヌキやクマの親子なども出てきたりして木を通してのものがたりです。最後にまたクロマツが出てきます。いせさんはこのクロマツがあった毎年亘理吉田浜に行かれているようです。2020/10/23
kanegon69@凍結中
93
木をめぐる優しい12の話。一番印象に残ったのはクロマツ。東日本大震災で防風林だった木、しかし今となってはなぎ倒され、流され、真横になったままになっている。いせさんは毎年この木に会いに行っているそうです。とても印象的でした。ほかの話はほっこりする話が多いですね。少女とくまさん、森の鳥たち、根っこの子供たち、おじいさんとおばあさん、クマの親子、など、木をめぐって様々な可愛い登場人物が現れます。文章も詩のような情緒的な美しい文章に淡い水彩画がぴったりです。いせさんの絵本は心を癒してくれるアロマのようですね!2019/11/09
モリー
74
読み友さんのおすすめ本。期せずして、東日本大震災関連の絵本を読むことになりました。津波で流され、根こそぎ打ち上げられたクロマツの木は今どうなっているのだろう。以下、心に引っかかる部分をメモ。「板一面のしましまもようはこの木がすごしてきた歳の数。線と線のあいだにあるのはケヤキの一年。どれひとつ同じでない春夏秋冬。気圧配置図のように明快に島を浮かべた海図のように物語に満ちて、人はこんなふうにはっきりと自分の一年を示すことができるだろうか。」2020/02/16
パフちゃん@かのん変更
72
大人向けの絵本ですね。いせひでこさんの絵が大好きです。どの絵も今にも動き出しそうで色遣いも素敵。お話も気に入りました (*^-^)b2015/01/07
けんとまん1007
70
木。樹。思わず魅入ってしまう。自然と対話しているような気持になるのが木。何故だろう?と思う。そんな木は、いろいろな姿を見せてくれる。木々の間を吹き抜ける風。生命力を感じさせてくれる木。だから、心の中にもある。2018/05/22