出版社内容情報
没後15年。いまだに多くの読者を惹きつけてやまない白洲正子の魅力については、謎のままだった。日本の確かな姿を追い求めてきた白洲正子その人の核心に迫る! 初めての評伝。
内容説明
多くの作品を通して問いかけた古からの日本人の精神性の軸には一体何があり、何が彼女のその問いかけを可能にさせたのか。どのような位置に立って日本を見つめ、いかなる心性や精神性を問うていたのか。白洲正子の心の軌跡を追う初の評伝。
目次
第1章 能というこころ(生まれながらにしてもつ信仰と能;「ひとりごと」と「ふるごと」 ほか)
第2章 ものを見る確かな眼(目利きとは;型と個性と美意識 ほか)
第3章 白洲正子が選んだ道(『かくれ里』と和辻哲郎『風土』;「ざまぁ見ろ」という心意気 ほか)
第4章 日本人の心性、精神性を問う(魂と形;十一面観音巡礼 ほか)
第5章 人間の営みと自然(文人、白洲正子;「明恵上人樹上座禅像」 ほか)
著者等紹介
挾本佳代[ハサモトカヨ]
1964年生まれ。東京都出身。専門は社会学。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業後、新潮社に勤務。法政大学大学院社会科学研究科社会学専攻後期博士課程修了。社会学博士(法政大学)。現在、成蹊大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
16
確かなものは日本人の精神の記憶に関係(9頁)。 文明が神を崇める原始部分を能面と装束の奥へ 追いやった(23頁)。 原発事故を前に、能の神聖は如何に有効か? 能面には豊凶、天災、疫病といった、 集落の記憶も込められていた(29頁)。 型の累積で舞に、舞の累積で能に(30頁)。 文化とはパターンの伝承ともいえる(35頁)。 型を破らないとまちづくりはできない。 幽玄とはシテそのものの美(41-42頁)。 白洲氏とココ・シャネルは椿の花を好んだ(70頁~)。 2014/04/15
Hisao Chugun
1
大切なものは「型」である。「韋駄天(いだてん)お正」と呼ばれた、暴れん坊(笑)のイメージが強い白洲正子が「型」が大切だといっています。 徹底的に型を身に体得し、型が重なりあうことで、個性が現れるのだ、ということです。そしてその先には社会あるいは文化の「型」についても探求していきます「型」がない社会・文化は個性を生まない。いまの日本は「型」を失ってきた。日本社会の「型」つまりは原型を求めて旅を続けます。 それが、白洲正子が見たいと追い求めた「確かなもの」なんだ、と感じました。2014/02/09
Cazuo Tanaka
1
知らなかった。白洲次郎の奥さん。彼女は、能を愛し、日本文化を愛していた。うーん、彼女の書いた本を読まなくっちゃ。2014/02/07
takao
0
ふむ2017/11/20