出版社内容情報
宮崎市から北へ40キロ、日本南限といわれる地にそのワイナリーはある。先達が築いた65年の葡萄栽培の志を継いでワイン造りに乗り出した、二人の若き醸造家の夢と希望の伝説。
目次
序章 先人の一徹を継いで
第1章 南限のワイナリー
第2章 驚きの酒を造る仲間たち
第3章 台風に耐える歴史
第4章 日向のスローフード
第5章 さらなる飛躍
特別寄稿 意外の連続だから驚きと発見がある(金子勝(慶應義塾大学経済学部教授))
著者等紹介
上野敏彦[ウエノトシヒコ]
1955年神奈川県生まれ。記録作家、ジャーナリスト。横浜国立大学経済学部卒業。79年より共同通信記者。社会部次長、宮崎支局長を経て編集委員兼論説委員。民俗学者・宮本常一の影響を受けて、取材で各地を歩き、コラムや書評を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鳥義賊
1
これだけ評価の高いワインを作る地域が宮崎にあったんですね。不勉強でした。ただ第三者がドキュメンタリーとして読む文章としては、筆者の力を問いたいところです。ドラマ性もエピソードの素材も、読者を感動させる素材は充分揃っていたと思うんですけど。2015/02/19
ophiuchi
1
日本のワインへの見方が変わる一冊。都農ワイナリーのHPを見て「どれを買おうかな」と考えています。2013/03/19
peugeo
0
1ward 地域との共存 キーワード ワイン造りとは『農業そのもの』2015/10/01
sekitak
0
狂牛病の翌年見学に行った都農ワイナリー。いまでもワイン祭り前の忙しい時期に案内していただいた赤尾さんやちょこっと顔を出してくれた小畑さんを思い出す。それにしても、赤字と町議会に始まり、天候や季節、地元などいろいろな困難を乗り越えながらここまであんな片田舎で成功したワイナリーの生き様は格好いい。ワインを超えて良いエピソードがおおく、ワインを知らない人に特におすすめしたい。また、読まれたらぜひ宮崎を訪れてほしい。あの空気感がわかればきっとこの本は10倍楽しいし身にしみる。2013/04/11
あたおろち
0
ワイン栽培の最適地とは決して言えない、南国・宮崎県において、地元ブドウであるキャンベル・アーリーを中心にワイナリー経営に成功した都農ワイナリーの物語。はじめは、小畑工場長の武勇伝的なところが強い感じを受けたが、それはそれだけ個性的な人だったということで、ブドウ栽培や醸造などの描写を含めて、非常に細かいところまで描かれていた。ワイナリー経営の実践的教科書として、ノウハウがつまっている。日本ワインを取り巻く「宿命的風土論」などは呪縛でしかなく、努力によって超克した実例。2021/01/24