偏愛ムラタ美術館―発掘篇

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582835960
  • NDC分類 720.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

目利きで定評のある著者が、知られざる天才・水越松南、細密画から墨絵を駆使する甲斐大策、チェルノブイリの村を描いた貝原浩、松本竣介らを独自の視点で読み解く。カラー図版多数。

内容説明

かなわぬ恋文と知りつつ、絵画への想いを言葉で記す。“目利き”の小説家が注目した、知られざる名作の物語。

目次

天地無用の画家!アルフレッド・ウォリス―船乗りウォリスの海の絵
生きていく石。死にゆく芋。―時間に曝された静物たち
甲斐大策の無辺際を行く―極彩色から墨の世界へ
最初に絵を描いた人―アルジェリア、タッシリ・ナジェールの岩絵
塔は倒れない―横山操の力瘤
黒澤明の「絵で見る映画」―映画より面白い絵コンテ
鳥か人か、吉田初三郎―敗戦国わが日本の鳥瞰図
この肉の暗さ―高橋由一のうつくしい無思想
生きるべし、生きるべし―クマガイモリカズの“死に絵”の変遷
樹木トハ何ンダラウ?―魂の木を描く人々
こんな天使がおりました―水越松南の南画世界
沈黙の春。いや、人声は流れてきた―ベラルーシ立ち入り禁止区域の絵
祈りのかたち 手の万象―鉛筆が刻む皺
戦時下の叙情―松本竣介の無音世界
網膜の出来事―エミール・ノルデの水彩
絵本の中の小さ神―あめつちはじめのこども

著者等紹介

村田喜代子[ムラタキヨコ]
1945年、福岡県北九州市生まれ。作家。1987年、『鍋の中』で芥川賞受賞。1998年「望潮」で川端康成文学賞、1999年「龍秘御天歌」で芸術選奨文部大臣賞をそれぞれ受賞。2007年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

59
シリーズ3冊の2 日本最初期の油彩画家、高橋由一の絵はなぜちょっと不気味に変なのか、と以前から不思議に思っていた。 ”森羅万象にそっくりをめざしているのに、突然その絵の中がポワーンと空っぽだったりする(中略) 無思想の気味悪さとでも言いたい” なるほど2022/03/25

yn1951jp

15
貝原浩「ベルラーシの婆さまたち」の屈強な面構えに圧倒される。チェルノブイリ事故による立ち入り禁止の「埋葬の村」に戻って生活する「サマショーロ(わがままな人/自ら帰って来た人)」だ。老人ばかりではなく、子ども連れの家族も高濃度汚染地域で暮らしているのである。目に見えない放射能の恐怖が描かれている。ヒロシマ、ナガサキを経験した私たちは、今フクシマの再生に真剣に向き合わなくてはならない。片山健の絵本「どんどんどんどん」を読んだ学生が「止めてくれるな、おっかさん。チェルノブイリに行ってくる。」といったという。2014/09/14

花林糖

10
(図書館本)発掘篇なので村田さんが発掘した画家を紹介。瀬戸照の静物画の石(生きていく石)・ジャガイモ(死にゆく芋)・カキ(死んだ柿)が一番目を奪われました。印象的だったのはベラルーシの立ち入り禁止区域の地域を描いた貝原浩さん。「ベラルーシの婆さまたち」の迫力が凄いです。2019/12/29

kiho

10
村田さんの言葉で絵の印象がさらに強く…存在感を増してくる⭐これまで見る機会のなかった画家の作品も多く、瀬戸照さんや熊谷守一さんの絵には見えない力と思いに圧倒されるよう…。専門書とはまた違う解説に引き込まれました!2015/03/12

きょう

5
美術館が休館になってから、手元に置いたけれど、なぜだか入り込めず…。お初の画家さんが多いからかな? 他の、主に眺める本を挟んでは読み。トルファンの絵を3度目くらいに読んで、素材は絵だけれどムラタさんの紀行文だと気づきました。そうだ、本だ村田さんの文を素直に読めばいいのだ。ウォリスの人生に寄り添っていくような村田さんにじんわりして、いったん読了とします。2020/05/21

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