出版社内容情報
『性愛公会議』により風俗壊乱罪で故国を追われ皮肉にも精神病院で逝ったパニッツァの本業=19世紀精神病学?たる奇書。遺訳稿。
オスカル・パニッツァ[オスカル・パニッツァ]
著・文・その他
種村 季弘[タネムラ スエヒロ]
翻訳
多賀 健太郎[タガ ケンタロウ]
翻訳
目次
犯罪精神病
天才と狂気
幻影主義と人格の救出―ある世界観のスケッチ
キリストの精神病理学的解明
フッテンの精神による対話(抄)
壁の内側でも外側でも
パリからの手紙七月十四日
進歩的無政府主義狂
著者等紹介
パニッツァ,オスカル[パニッツァ,オスカル] [Panizza,Oskar]
1853年11月12日、ドイツ・南フランケンの温泉町バート・キッシンゲンにホテル経営者の三男として生まれる。1876年ミュンヘン大学医学部に進学し、博士号取得。オーバーバイエルン郡精神病院のベルンハルト・フォン・グッデン教授の助手になるが、突然、精神科医の道を諦め、文学に転向し、各地を転々としたのちミュンヘンに居を定め、革命家を自称するリベルタン・グループ「近代生活協会」の設立に関与。1891年、短篇小説『タヴィストック・スクェアの犯罪』で風俗壊乱罪の嫌疑を受けるが不起訴。五幕天国悲劇『性愛公会議』により実刑判決を受け、アムベルク監獄に収監。出所後、ミュンヘンを去り、チューリヒに移るが、「少女凌辱」の嫌疑でスイスから追放処分を受けてパリに亡命。追跡妄想や幻聴などの精神疾患の症状が出始め、1904年、下着一枚の姿で路上を徘徊しているところを警察に逮捕連行され、1921年9月28日に没するまで、バイロイト近郊のヘルツォークスヘーエ精神病院に終身収容された
種村季弘[タネムラスエヒロ]
1933年東京・池袋生まれ。ドイツ文学者・評論家
多賀健太郎[タガケンタロウ]
1974年愛知県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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