マイ・バック・ページ―ある60年代の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582834840
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

全共闘、ベトナム戦争、CCR、そして連合赤軍事件…。「政治の季節」のただなかで、悩み、翻弄されてゆく、ひとりの若きジャーナリスト。伝説の回想録待望の復刊。

目次

『サン・ソレイユ』を見た日
69年夏
幸福に恵まれた女の子の死
死者たち
センス・オブ・ギルティ
取材拒否
町はときどき美しい
ベトナムから遠く離れて
現代歌情
逮捕まで
逮捕そして解雇

著者等紹介

川本三郎[カワモトサブロウ]
評論家。1944年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、朝日新聞社に入社。「週刊朝日」「朝日ジャーナル」の記者を経て、評論活動に入る。文芸・映画の評論、翻訳、エッセイなど多岐にわたる執筆活動を続けている。著書に、『大正幻影』(サントリー学芸賞受賞)、『荷風と東京』(読売文学賞受賞)、『林芙美子の昭和』(毎日出版文化賞、桑原武夫学芸賞受賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

25
もちろんキモとなる著者が逮捕される事件も読み応えがある。だが、私が惹かれるのは「それ以外」の名もなき人たちの肖像だった。彼らは紛れもなくこのエッセイにして痛切な自伝が描く「60年代」を生きていた。沢木耕太郎のスケッチや、村上春樹や中上健次、村上龍が描く青春を連想してしまう(おかしな話だ。龍は「遅れてきた」世代のはずなのに)。ということはこの書物は著者が一皮剥けて一流のエッセイストになる、その「一皮剥ける」ために何物かを葬らなければならなかった鎮魂の書物であり、同時に哀切な文学を綴った1冊どいうことになろう2022/04/21

fseigojp

15
映画原作 実際にあった自衛官殺人・武器強奪事件を取材(?)した著者のエッセイ2015/08/27

kinkin

14
60年代は私より一回り上の世代。学生運動や、安保反対を体感したことはないが、安田講堂に籠城した学生たちのニュースはうっすら覚えている。まだ権力というものに反発する考えやパワーがあったんだなと感じる。今の日本、政府や国に対して庶民や学生がもっと抗議していいのかもしれない。その抗議の声すら上げられなくなり疲弊した日本が頭に浮かんだ。2013/07/10

bluemint

13
この本の時代から3年後に私も新宿に住むことになったので、私にとってもマイバックページのように時々読む手を休め当時を思い出した。全共闘の余波はまだ強く残っており、大学の試験も4年間で2回しか実施されなかった。何もジャーナリストとしての教育もないまま、思想闘争の現場に放り込まれ、自分の信ずる報道のモラルと現実との狭間で恐怖し苦闘する。個人のジャーナリストとしての意識は新聞社としての組織とは全く違う。新聞社はジャーナリストではない、ということが分からなかったのだろう。時を経て甘酸っぱく感じるようになった。2018/12/24

ruki5894

13
全く知らなかった。事件のことも、川本さんが逮捕されたことも。ジャーナリストとして貫くか、一市民として考えるか…。若いからこそ、青臭くて、つたわる。正直な文章だと思う。生きていく根幹が、そこにはあるから。淡々とした文章の中に熱が伝わってくる。とっても面白かった。やっぱり団塊はあなどれないなーと思った。すごいわ。2013/10/05

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