内容説明
犬を愛した娘時代。猫との静かな老後。生きものへの手放しの愛情が迫る。
目次
第1章 犬好き(親ゆずりの犬好き;なのはな;春の犬を追う ほか)
第2章 猫好き(読書のすすめ;小猫;ふたつボン ほか)
第3章 どうぶつ好き(私のすきなどうぶつ;類人猿;熊 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
51
「犬と育った幸田文にとって犬は家族だった。大人になってからは猫が家族。手放しで動物を愛した作家の愛情があふれ出る随筆集」ということで、犬好き、猫好き、動物好きなら楽しめそう。幸田文ファン、あるいは幸田露伴絡みで読むのもありかな。2025/03/25
こばまり
29
愛おしくて哀しい、身の回りの動物についてのエッセイと短編小説。名人の舞踊を観るような、上質のお出汁を飲むような、しんとした気持ちになります。手元に置いておきたくなる美しい装丁。2014/07/20
ちゃちゃ
18
とっても美しい本。それは,装丁も,中の文章も。幸田さんの動物に対する温かな眼差しがつたわって来ました。そして,お父さんの温かさも。そんなお父さんだったから,幸田さんも動物大好きになったんですね。2011/01/03
Sakie
13
中年~晩年頃のエッセイを娘の玉氏が編集した、シリーズの1冊。孫の奈緒氏が後書きを書いており、文さんに似て端正な文体だ。幸田家は露伴が犬をよく飼っていたようで、文さんも犬の扱いは慣れていた。家の雌犬が放し飼いや野良の牡犬と「結婚」しないよう奮闘する様子など、犬の飼い方が変わりつつある時代の様子がわかる。猫の方は得手でないようで苦笑した。動物園好きが意外だった。裏門から出入りするほどお好きで、詳細な観察描写からは樹木を描いたのと同じ熱量を感じた。『めぐしはむごしで、むごしはめぐし』。動物は愛情と酷さを教える。2018/10/06
やいっち
6
「犬と育った幸田文にとって犬は家族だった。大人になってからは猫が家族。手放しで動物を愛した作家の愛情があふれ出る随筆集」ということで、犬好き、猫好き、動物好きなら楽しめそう。幸田文ファン、あるいは幸田露伴絡みで読むのもありかな。2025/03/25