内容説明
デザインの神様ムナーリが、あなたに贈る珠玉の言葉。
目次
二つの履歴書
覚え書き
定理
頭をこんがらかして考える
著者等紹介
阿部雅世［アベマサヨ］
１９６２年東京生まれ。建築家、デザイナー。法政大学工学部建築学科卒業。ドムスアカデミー工業デザイン科マスター修了。「五感に響くデザイン」を研究課題とし、ＩＣＦＦ Ｅｄｉｔｏｒ’ｓ Ａｗａｒｄ、Ａ＆Ｗ Ｍｅｎｔｏｒ Ａｗａｒｄほか、建築、工業デザイン、素材研究などの幅広い分野で国際デザイン賞受賞。国立エストニア芸術大学教授を務める傍ら、世界各地で子供やプロのデザイナーを対象としたデザインワークショップを開催（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
25
ブルーノ・ムナーリが書籍や雑誌やパンフレットに書き記した文章をまとめたものです。詩のようであったり、格言のようであったり、エッセイのようであったり、解説文のようであったり…と様々ですが、全体的に共通しているのは、「若い読者にはエールを送り、若くない読者には自省を促す」という方向性です。初出の記載がないため、どういった社会情勢の頃にどういった層に対して発せられたメッセージなのかの分からないのが、とても残念です。権力者や権威者を皮肉った文章の中には、政治的な意図が込められているものもあるのではないでしょうか？2020/02/26
犬こ
20
芸術に関してムナーリが考える詩的な文章、構成。おぉ～と感じる箇所もあったけれども、大半はよく分からないままでした。芸術家の思考は私の回路から少し遠いですが、こういう文章を読むのは、たまには良いですね。2017/05/13
nbhd
11
デザイナーの神様・ムナーリさんの金言集。警句めいたものや理解可能なものより、むしろ「えっ、なにそれ？」ってなる言葉に揺さぶられた。「卵というのはこれまた完璧な形ですな、お尻で創ったものだとしても・・・「1メートルの1リットルというのはどのくらいの重さのことでしょうかね」・・・「思えば、肉屋との関係は肉体関係だったのだな」・・・「えっ、なにそれ？」ってなる。2017/06/14
きゅー
7
本書はムナーリ自選短文集だ。彼が云うに芸術とは「こどもの頃から見てきたものとは全く違うものでありうる」という。それは既成の概念を越えたものであり、ふだん考えているものとは全く別物でありうる。写実的な自然の描写には100万人のファンがいるが、絶対芸術には100人のファンしかいない、とも彼は云う。人は自分の理解できるものしか見えない。そして同時に、人は自分が見えるものしか理解できない。このジレンマを打破する大いなる跳躍を彼は芸術に求めていた。彼は「芸術における最大の障害は芸術を頭で理解したがる人々」と云った。2019/02/26
koeta4
4
数年前書店で見つけて、思わず買った本。再読。ムナーリのことばの数々。 「俳句とは心の生け花」 「アイデアに貧しいデザイナーほど高価な材料をつかいたがる」ぐさっ。「シンプルにまとめるのはよりむつかしい。」 むかし、地図をみて行先を探してしてた私に 「ママ、その迷路むずかしいの？」と聞いてきた子どもの言葉を思い出した。小さな子って時々シンプルに本質を突いてくる。2020/03/10
