内容説明
寺の子に生まれたけれど、ひょんなことからコックの道へ。中央亭で修業し三井倶楽部で奇才岩堀房吉の薫陶を受け西洋料理の奥義をきわめる。81歳はつらつコック長の厨房ばなし。
目次
にわか坊主、東京へ(寺の子に生まれて;早川了祐さんのこと;中学卒業を前にして)
町場のコック(兄の家に居そうろう;コックか自転車屋か;支那料理に学ぶ;一流コックを夢みて)
二十代で小僧に(コック見習い;きびしい先輩のもとで;アイスクリームと大格闘;サバランに挑戦;コック長心得)
中央亭ものがたり(鹿鳴館から味は流れて;丸の内に中央亭開店;岩堀房吉は語る)
宮内省御用達の苦労
八重洲会の創立
留守番スパイ(明治屋の財政援助;ソースプラス醤油;美人ウェイトレス登場)
悲しき弁当屋(新婚に粋なはからい?;弁当屋いじめにあって;つらかった後始末)
星一つで炊事班長(さらば祖国よ;行軍に次ぐ行軍;生きて内地へ)
ジャングルめぐり(“満州一”の折り紙;フィリピンへ;敗色深まる中で;終戦、そして下山)
闇世にヤミ料理(芸が身を助ける?;ヤミ料理で大宴会;ようやく家族そろって)
ザクースカの親方(岩堀房吉の修業時代;ロシア大使に教わる;生涯最高の豪華メニュー)
すみませんコック長(皇族方を迎えした思い出;私の自慢のメニューから)
占いは当たって(私は私、山越流で;三井倶楽部の料理の源流;金賞受賞のかげで)



