内容説明
不登校、学級崩壊、受験競争―欧米で生じないのはなぜか?『教育基本法』第十条に隠された未来へのカギ。お役所的学校システム脱却の道を探る。
目次
第1部 行き詰まった日本の教育(不登校は制度公害;入試制度の一人歩き;個性尊重の教育はできるのか)
第2部 中央集権無責任体制 日本の学校システム(中央集権にして無責任;手足をもがれた教育委員会;院政体制を敷く文部科学省;教師の自主性が発揮されない学校;意見を言えない保護者・住民;『教育基本法』の精神)
第3部 成熟社会のための教育システム(学校を作る自由;イギリス型かフィンランド型か;教育費全面無償への道;教育主権在民の確立を)
著者等紹介
古山明男[フルヤマアキオ]
1949年千葉県生まれ。京都大学理学部卒業。動物雑誌などの編集者を経て、私塾・フリースクールを開設し、不登校、地域活動、補習、受験などさまざまなニーズに応える。一方、古山教育研究所を主宰し、国内外の教育史や教育制度を研究する。イギリス、アメリカ、オランダ、フィンランドなどの教育事情の視察から得た知見は、不登校の子どもたちと接する体験ともども、日本の教育制度研究に広い視野を提供している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りょうみや
9
主に北欧の公教育システムと比較して、日本の入試制度やその他の学校制度の問題点を明確に指摘している。さらに日本は法律でがんじがらめになっていて、変えようと思っていてもなかなか変えることができないこともよく分かる。よい内容だった。2018/03/28
星辺気楽
2
3年前まで小学校の教員をしていたので、この本を読んで納得することばかりです。北欧諸国の教育の在り方を知ると、現代日本の教育のその異常さに唖然とします。この本が書かれた2006年からも大きく後退した日本の教育をもっと危機感をもって考えないといけないと思います。2014/06/09
くまさん
1
今,子どもたちが生きにくい世の中になっている。著者が言うとおり,学校という組織のあり方が,社会に合っていないと感じる。きっと,日本という国の良さもこの学校のシステムから来たのだろうが,現代は考え直していかなければ,ますます子どもが生きていくのが,苦しい世の中になっていくだろう。人として,どのように生きるのが良いのかが,問われているような気がする。2015/07/01
ねっしー
1
課題の文献として読了。教育制度に関する内容なのでガチガチ系の文章かと思いきや、割とさらっと読みやすい。諸外国と比べながら日本の教育を見てみると、たしかに法律やら何やらでグルグル縛られている感じはする。教育委員会の宙ぶらりん具合は、法律によって文科省だけで色々決めすぎているためか。今後の教育委員会制度の改革に期待。2014/07/31
なおぽぽ
0
日本の教育は行政が決定権をもっていて、教育委員会は機能しにくく、学校という現場の問題をうやむやにされるのが、問題である。2012/09/16