出版社内容情報
19世紀後半から20世紀初頭の中国・清朝の洋務派を代表する張之洞が著した学問指南書。当時の科挙受験者の必携の書ともされ、現代中国においても評価が高い書物を翻訳。
内容説明
四川省から中国全土へと一気に広まり、「海内に流伝し、人は一編を手にするに幾し」と形容された、梁啓超・周作人・吉川幸次郎など中国を熟知する人々が絶賛する、中国古典を学ぶための必携書。
目次
行を語る 第一
学を語る 第二
文を語る 第三
学究語 第四
敬避字 第五
磨勘条例の摘要 第六
学田を置くよう勧める 第七
著者等紹介
深澤一幸[フカザワカズユキ]
1949年京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。元大阪大学大学院言語文化研究科教授。専攻、中国言語文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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電羊齋
13
張之洞が科挙受験生に向けた指南書。読書と学習の心得、経(儒教の経典)・史(歴史・地理)・子(思想・科学など)・集(文集・詩文など)など各分野での具体的な中国古典の学習法、具体的な科挙受験対策などが盛り沢山に紹介され、今でも参考になる指摘が多い。また付録の奏摺(上奏文の一種)には当時の四川省での替え玉受験など科挙での不正、それに対する張之洞の解決策などが書かれている。中国古典学習入門、具体的な科挙受験対策、清末の科挙制度の実態としてなどなど、いろいろな角度から読めて非常に面白かった。2025/06/20
さとうしん
12
清末の四川の学政であった張之洞が科挙の受験生に向けた訓戒。普段の行状や読書・学習の仕方などを語る。史書を読むのにダイジェストで満足してはいけないだとか、本は帰るなら買い、借りて葉いけないとか、耳の痛い言葉が多い。早期受験の戒めのようなものもある。細々としたことでは、『康熙字典』での別体の扱いなども参考になる。2025/05/11
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