出版社内容情報
中国春秋時代末、呉・越二国の抗争と興亡を記した書。呉王夫差と越王勾践の争いを焦点としながら、伍子胥を始め、多彩な人物を活写。
趙 曄[チョウ ヨウ]
佐藤 武敏[サトウ タケトシ]
大阪市立大学名誉教授
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感想・レビュー
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BIN
6
呉越の興亡を描いた呉越春秋の本邦初の全訳本。一応呉越の始祖から始まっているがメインは闔廬・夫差と勾践(というか越は勾践がほとんど)。伍子胥の逃亡生活や勾践の帰国後の話が史記等より詳しい。会話が多く、伍子胥や范蠡といった知恵者が占卜で物事を決めていたり、亡霊が出現したりするので史書というよりかは物語です。ただなぜか夫差による復讐戦や勾践の父である允常の話が全くない。なので嘗胆はあるのに臥薪はない。宮城谷著「湖底の城」の元ネタ本かなと思ったらそんなことはなさそうでした。2017/09/29
Splash
1
呉王夫差と伍子胥、越王勾践と范蠡。王が参謀の言を容れる器があったかどうかが、一旦は呉に破れ、臥薪嘗胆で再起し、呉を滅ぼした越の勝因。学生時代に漢文で習った呉越同舟の語源となった呉と越の攻防と思って読んだが、ダイナミックな展開がなく、盛り上がりに欠けた。もっといきいきと書けそうな題材なのに。2016/08/09
小澤 泰裕
0
昔、海音寺潮五郎の『孫子』を讀むだときから、その元ネタとなつた此の本を讀むでみたかつた。2016/10/30