出版社内容情報
ついにラーマ率いる猿軍団とラーヴァナの羅刹軍との戦争の火ぶたが切られる。熾烈な戦いの行方は? インド古典文学の至宝『ラーマーヤナ』、大長編のクライマックス!
内容説明
いよいよ全編のクライマックス。ラーマ率いる猿軍団とラーヴァナ率いる羅刹軍団とが激突し、両軍の死闘とラーマの勝利、シーターとの再会、アヨーディヤーへの帰還と即位までが描かれる。
著者等紹介
中村了昭[ナカムラリョウショウ]
1927年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程印度哲学専攻修了。文学博士。鹿児島国際大学名誉教授。専攻は、インド古代・中古の文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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syaori
66
シーター奪還のためのランカー攻めが始まります。太鼓や弓弦の音や勇士の雄叫びが響くなか、猿軍と羅刹軍が武器や樹木や山を投げ合い、ラーマや羅刹王ラーヴァナの放つ金色の矢が空を埋めつくすという幻想的で華麗な、しかし屍と血が大地を埋め尽くし腸や脂肪が散乱する凄惨な戦闘の果てにラーヴァナは自身の行為の果報によってラーマに倒され、ラーマはシーターと再会。彼女が貞節の証を立てなければならないことに引っかかりを感じるものの、その後はラーマを慕い讃える猿や羅刹たちの祝祭的な雰囲気に包まれて故郷に凱旋、王位について最終巻へ。2022/12/02
NAO
64
ラーマたちと羅刹軍の戦い。何度も繰り返される「宇宙期の終末のような」という表現とインドラ神の雷光のような武器(『マハーバーラタ』でも頻出した)が古代人による核戦争を表しているとも言われているが、「ドラゴンボール」みたいな誇大表現が昔からあったのだと考えるぐらいでいいのでは。羅刹たちに次々現れる凶兆も、何とも大げさでおどろおどろしい。2018/02/15
roughfractus02
8
奪われた女性を奪還するために戦争が起こるモチーフは『イーリアス』と重なる。が、動物たちが一族として参戦する点は異なる。それゆえ、蛇の変幻である矢を食べる者がいたり、捉えられた猿族の兵士が魔王の軍に食べられるという生なましい場面や透明で見えない魔王の子イントラジットに苦戦するような自然との戦いを思わせる場面が戦いの中に含まれる。一方、ラーマ軍のロジスティクスは万全のようだ。負傷すれば風神の化身ハヌマトがヒマラヤに飛んで薬草を山ごと運ぶ。神々の支援も尽きない。戦いの後、死んだ猿軍兵士は神々によって蘇生する。2022/09/26
christinayan01
0
出ました、インドラの矢。太陽より眩しい閃光で煙を発せず高速に飛来する究極の矢のひとつ!ラーマは武器コレクターでもある? 他にも様々な表現の武器が登場して飽きない。ハヌマトの漢気と闘志・根性には改めて惚れてしまう。この巻が一番熱が入ります。 4巻くらいから思っていたが格闘シーンの描写がドラゴンボールそっくり。ほんとDBを小説化したのかって思うほど。3000年前のDBって思って読んでたのでより興奮度が高くなった。 最後は「え?完全に終わったけど。」って内容だが7巻に続きます。2017/10/27
→0!P!
0
とにかくずっと戦いに明け暮れる章。クンバカルナの巨体と強さが目立つ。インドラジトは魔法で体を隠して、幾度となくラーマ兄弟を窮地に立たせる。だが、結局は神々の力を借りてラーヴァナを打ち倒す。シーターとともに都に帰る途中は、今までの旅の軌跡を逆に辿るという観るものの感動を高める作り。猿もみんな最後生き返らせてもらって、めでたしめでたし。(羅刹たちは可哀想...)2022/03/03