出版社内容情報
ハヌマトは空を飛びランカー島のラーヴァナの宮殿にシータを発見する。ハヌマトの報告を聞いたラーマは、ランカー攻撃を決意。第5巻「優美の巻」と第6巻「戦争の巻」第36章まで収録。
内容説明
ハヌマトは囚われのシーターをついに発見、ラーマに報告。ラーマは猿軍を率い海を渡り、ラーヴァナとの決戦へ向かう。原典第5巻『優美の巻』と第6巻『戦争の巻』第36章までを収録。
著者等紹介
中村了昭[ナカムラリョウショウ]
1927年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程印度哲学専攻修了。文学博士。鹿児島国際大学名誉教授。専攻は、インド古代・中古の文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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syaori
61
羅刹王ラーヴァナの都ランカーへ、海を越えて飛翔するハヌマトの姿で幕開け。雲を裂き花を散らせ、神々の賛辞を受けて飛ぶ彼の姿に気分が一気に高揚します。続いて宝石をちりばめた、荘厳で「幸福に満ちた、無上の、繁栄した」ランカーの姿と「強力の勇士」ラーヴァナの威容と威光が語られ、しかしその彼も非法(人妻の略奪)の果報を受けることになるのだということが繰り返されて、現在の隆盛や美々しい姿と相俟って因果と運命の避け難さが身に迫るよう。ハヌマトがシーターを発見しラーマが出陣、戦を告げる太鼓や法螺貝の音を聞きながら次巻へ!2022/11/29
NAO
57
前半は、絶海の孤島ラーヴァナの城ランカーにたどり着いた風神の子ハヌマトの独壇場。ハヌマトの縦横無尽の活躍ぶりは、とにかくかっこいい。そのまま連れて帰れば済むところを、「ラーマ以外には触られたくない」と拒み、ラーマ自身が助けに来ることを要求するシータ。戻ってきたハヌマトの報告を聞き、橋を架ける許可を得るため海神に無茶ぶりするラーマ。話を面白くするためとはいえ、みんな、なかなか我儘だ。2018/02/13
roughfractus02
7
宇宙には秩序があり、世界を維持する太陽神の化身たるラーマも秩序に従って急に海を渡る(海に沈む)ことはない。一方、海に象徴される自然はランダムさが満ちており、風神の子であるハヌマトは体を大きくして海を一気に飛び越え、尻尾についた火を風に乗せて魔王の城を焼き尽くす。他方、宇宙と自然が触れて豊穣をもたらす大地の象徴シーターは、ハマヌトが手を差し伸べてもラーマが直接助けに来るのをただ待つ。そこに魔王と決別した弟の主人公側への加勢や、猿軍・ラーマ軍の人間レベルの戦略が加わり、物語の時間を加速させ、または遅延させる。2022/09/25
christinayan01
1
最初のあらすじだと5巻で戦争するみたいな表記だったが実際はラーマ陣営VSラーヴァナ陣営が別れたところまで。 ラーヴァナの弟が出来た人物で、兄に愛想をつかしてラーマ陣営に入るシーンや、ハヌマトの活躍が最高にかっこいい章。アジア圏におけるハヌマト人気はダントツらしいのだが本当に納得できる。三国志の趙雲、項羽と劉邦の韓信のような活躍。あの勇猛さは惚れる。 ちょっと吹いたのが、ハヌマトがシーターらしき人を見つけたときに「鹿のような目、美しい顔、ふっくらとした乳房―間違いない!」の描写。おっぱいも決め手かよw と!2017/10/07
j1296118
0
あばれハヌマトまっしぐら 2014/06/11