内容説明
インドの古法典は単なる法律書ではない。宗教的・社会的規範を記す正しい生き方（ダルマ）の教えである。マヌ法典と並びヒンドゥー社会の秩序観念の根本を形作る書を綿密な注釈で読む。
目次
第１巻 行動の準則（アーチャーラ）（ブラフマチャーリン（学生）の生き方
結婚
身分について ほか）
第２巻 訴訟（ヴィヤヴァハーラ）（総則；訴訟の主題と立証手段）
第３巻 罪の除去（プラーヤシュチッタ）（死によって引き起こされる不浄（アーシャウチャ）
窮迫時の生き方
林住者（ヴァーナプラスタ）の生き方 ほか）
著者等紹介
井狩弥介［イカリヤスケ］
１９４０年生れ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。Ｐｈ．Ｄ．（シカゴ大学）取得。現在、京都大学人文科学研究所教授。専攻はインド学
渡瀬信之［ワタセノブユキ］
１９４１年生れ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、東海大学文学部教授。専攻はインド文化史
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感想・レビュー
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ヤージュニャヴァルキヤはヴェーダ期の有名な哲人。解説によると6世紀頃書かれたらしい。この著書は『マヌ法典』と並ぶ法規集で、多くの注釈書も書かれたという。内容は、1.行動の準則、2.訴訟、3.罪の除去、の3つの部から構成されている。目に引いたのは、2・208＜真実、虚偽、もしくは事実に基づかない讃辞により、身体障害者、感覚障害者、病人を侮辱すれば、12パナ半の罰金を払わせるべし。＞と、社会的弱者に対する規定があったこと。また猫等殺したら3日間牛乳を飲むべし（3・273）なども生類憐みの令のようでおもしろい。2012/07/24
