内容説明
清朝二百六十年余を、思想・文化を中心に明快かつ大胆な史観によって語り尽した、内藤湖南会心の講義録。清朝滅亡前夜に、その後の中国の姿を透視した「清朝衰亡論」をも併せ収める。
目次
清朝史通論(帝王及び内治;異族統一と外交・貿易;外国文物の輸入;経学;史学及び文学;芸術;清朝史通論綱目)
清朝衰亡論(兵力上の変遷;財政経済上の変遷;思想上の変遷)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aminadab
20
おおレビュー一番乗り。『支那論』(文春学藝ライブラリー)を読了後の感想。本書は表題作と「清朝衰亡論」、『支那論』は表題作と「新支那論」を収録。「衰亡論」が1911年辛亥革命勃発直後、「支那論」は1913年、「通論」は1915年のそれぞれ講演、「新支那論」は1923年の口述。時局解説みたいな題もあるがすべて史論で、したがって重複も多いのだが4本とも読めば得るところ大きい。読み方としてはまず「通論」の前半1~3講から入るのがいい。4講は朱子学理解が前提、5~6講は文学・美術で相当難解。『支那論』感想に続く。2021/09/02