感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
5
茶山は山陽の父春水の親友で、山陽とは32才の年齢差がある。山陽にとっては実の叔父(春水の兄弟たち)以上に叔父のような存在だったのではないか。不行跡がもとで廃嫡され、居場所がなかった山陽を、茶山は自分の塾の後継に招いたが、山陽は田舎の退屈さを嫌って京摂へ飛び出してしまう。茶山の怒りや春水の嘆き、そしてこの親友の間の心情の機微を、恐らく山陽は理解することはなかったのだろうと思う。本書を読むと山陽の身勝手さに苛々するが、ほぼ山陽の生涯にわたる茶山との濃密な交わりは読み応えがあり、不思議に読後感はいい。2017/06/12




