感想・レビュー
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崩紫サロメ
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1860~62年頃。著者が忠王李秀成の元に参戦し、上海攻略に向けて献策をする時期だが、実際はそこまで活躍していないのか、軍事行動に関する報告は簡潔で、中国やインドで刊行された太平天国関連の報道への批判、そして南京での忠王やその家族との幸せな日々についての記述が中心となっている。太平天国を擁護するにあたり、いかに彼らが西洋人に近く、彼らのキリスト教がプロテスタントに近いか、という形で論じるところなどから、著者の太平天国への友愛の情の中に強いオリエンタリズムがあることは、全編を通じて感じるところ。2021/02/15
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