感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
11
後代怪異文学の元ネタ集の趣。不条理なる禍福に対し強引に陰のコードを読み取ろうとする試みは人類共通か。いくつかの基本パターンは繰り返し登場する。早すぎた埋葬、異類婚姻、一族没落・帝国瓦解の前兆など。いかなる異状であろうとも神仙に通じた者の予見を免れぬとするムリヤリな記述が面白い。いわく「亀に毛が生えるは戦乱の前兆」「牛の背から足の生えるは下克上の前兆」「安易な誅伐を行えば鼠が門側で踊る」とにかく何でもお見通しなんである。かと思えば、怪異何するものぞと魑魅魍魎を蹴散らす剛の者も登場する。カオスである。2019/12/10
たけはる
4
小説の資料用に。改めてまともに読んだのは初めてかもしれません。蛇を退治した娘さんの話が格好よく、印象に残りました。2020/05/24
きのたん
3
前回読み切れなかったので悔しいからまた借りてきた。前回も思ったが性別が変わる人がよくいる。古代中国がそうだったのか、それとも人類というか生き物はえてしてそうなのか。空海は雨乞いの本格的な作法は取り入れなかったのだろうか。亡国の装いが印象深い。獲った沢蟹を人間に焚き火で焼いてもらう巫女の鳥が愛らしい。 後半は死人が生き返った話が多い。ふぐ毒のケースをさらに時間引き伸ばしたような。あれだけ人数が多いと数千万人に1人ぐらいなら起こりうる現象のように思えてくる。それを記録して伝える文化的土壌の豊かさ。実に面白い。2021/08/22
しいかあ
3
天から降ってきて「あんたが好きなわけじゃないんだからね」と言いながらもお嫁さんになっちゃう31番の成公智瓊ちゃんがツンデレ可愛い!! 遠野物語のような雰囲気の不思議な話が多い。書かれたのが普のころなので、三国志の登場人物が出てくる話も多い。三国志を読んでから読んだほうがそれぞれの人物についてよく理解できたかも。ところで、距離単位の"里"が全部日本の里に訳してあるなんていう大事なことは、冒頭に凡例として書いておいて欲しかったなあ。中国里(約500m)と日本里(約4km)じゃ大違いじゃないか。2012/06/22
chacks67
3
「志怪小説」。記載されているエピソードがどれも”事実の記録”として書かれているところに惹かれる。学生時代、このそっけない言葉の間を無理やりイメージする遊びに凝ったもんですw