出版社内容情報
上村 松園[ウエムラ ショウエン]
著・文・その他
内容説明
「生涯、書生時代の初心な心持で絵の研究をしたい」美人画の大家として知られ、気品あふれる女性像を数多く描いた日本画家・上村松園。十三で絵筆をもった少女は、絵画への情熱を失うことなく明治・大正・昭和の世を駆け抜け、ひたむきに芸術の道を追求しつづけた。「絵筆三昧、芸術三昧」と自ら語った七十四年の人生を辿る、珠玉の随筆選。
目次
彩管余滴
わが少女の日
私の執って居る絵画の研究法
日本画と線
絹と紙の話と師弟の間柄の話
美人としての標準
女の顔
三味線の胴
絵筆に描き残す亡びゆく美しさ
帯の巾が広すぎる〔ほか〕
著者等紹介
上村松園[ウエムラショウエン]
1875(明治8)年、京都生まれ。本名津禰(つね)。京都府画学校に入学、鈴木松年に師事したのち、幸野楳嶺、竹内栖鳳に学ぶ。文展、帝展を中心に活躍し、江戸・明治の風俗、和漢の古典や謡曲に取材した作品を手がけ、美人画に独自の境地を拓く。1941(昭和16)年、帝国芸術院会員。44年、女性2人目の帝室技芸員に任命される。48年、女性初の文化勲章を受章。49年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らむだ
2
画家・上村松園の随筆集。付録に鏑木清方、与謝野晶子、長谷川時雨、井上靖、円地文子らの上村松園評。2023/02/18
ソフィ
0
本当は『全随筆集』のほうを探したのだけど入手できなかったのでまずはこちら。一点一点そこまで時間をかけていたのかと驚いた。本当に筋が通っているし、シングルマザーであったこともそうとう中傷を受けただろうに、まったく触れらていない。立派だ。2025/06/01
狐
0
上村松園の明治から昭和にかけての随筆と、鏑木清方や与謝野晶子、井上靖らが松園について綴った付録部分からなる。松園の随筆中で印象的だったのは、幾度も祇園祭の写生を語っていたことだ。それが彼女の画を形作ったのだという意識があったのだろう。また、絵の中では特に目を意識していたらしい。上村松園の作品を見る際も目に着目してみたい。2024/02/02