出版社内容情報
暗殺の現場に居合わせた主人公は被 告の無罪を証言すべく司法長官のもと に出頭する。その途上で逢った高地人 の娘。二人の恋を巻き込みながら、英 国史上最悪の暗黒裁判は進行する。
内容説明
財産を得たデイビッドは自らを危機にさらす裁判にあえてかかわるのか。偶然に逢った高地の娘になぜかくも魅かれるのか。逃亡中のアランとは再会できるのか。拘束された孤島からどうやって脱出するのか。暗黒の政治裁判から無実の者らを救い出すことができるのか。18世紀スコットランドの歴史を背景に、少年は行動し、恋し、成長する。スティーブンソン最高傑作の完結篇を新訳で。
著者等紹介
スティーブンソン,R.L.[スティーブンソン,R.L.] [Stevenson,Robert Louis]
1850‐94。スコットランド、エジンバラ生まれの小説家、詩人、エッセイスト。19世紀イギリスを代表する作家。『宝島』『ジキル博士とハイド氏』『さらわれて』などは世界中で翻訳され読み継がれている
佐復秀樹[サマタヒデキ]
1952年群馬県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。イギリス演劇専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
black_black
5
自身の読解力不足を実感した1冊。主人公デイビッド・バルフォアの成長と恋愛を描いた物語(会話劇)ということだけど、前作である「さらわれて」を読んでから読むべきだったと思う。とにかく同名の複数の人物や別名を持つ人物が数多く登場するのと、英国(スコットランド)の紳士仕草や語り口になかなか慣れず苦労の多い読書だった。面白い登場人物や古き良きイギリスの雰囲気が感じられて良かっただけに余計に無念の思い(苦笑) 訳者は原書に忠実に訳されたらしいけど、もう少し日本人向きの表現を取り入れられなかったものかと最後は恨み節。2022/05/03
takeakisky
2
さらわれてが一気呵成に書かれたように見えるのに対し、カトリアナには厚みがあって、じっくり読ませる。デイヴィッドの成熟ぶりに戸惑いすら覚える。前半、司法長官との息詰まる遣り取り。アッピン殺人事件の一筋縄ではいかない政治的結末とデイヴィッドのできうる精一杯。主人公が我が身の誤ちを振り返るところがRLS流か。二部に入るとますます因循と思い悩むこと。カトリアナとのロマンスは必要以上の焦ったさがある。5年半英国リネン社で待っていた甲斐はあったんじゃないかな。前篇で語り残されたことも語り尽くされ、正続2篇で1作品。2023/07/17
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