出版社内容情報
ライブラリー創刊25周年企画、待望好評の『中世思想原典集成』文庫化(全7巻)。第4巻は「ラテン中世の興隆2」。サン = ヴィクトルのフーゴーほか。巻末エッセイは水野千依。
内容説明
アリストテレス論理学を摂取し、世界・宇宙・自然・歴史への関心を旺盛に展開する都市の学校。ラン、シャルトル、サン=ヴィクトルの各学派と、イスラーム哲学の二大巨匠。十二世紀の前期スコラ学と世界観の革新。待望のライブラリー版!
目次
命題集(ランのアンセルムス)
倫理学(ペトルス・アベラルドゥス)
命題集(ペトルス・ロンバルドゥス)
プラトン・ティマイオス逐語註釈(コンシュのギヨーム)
六日の業に関する論考(シャルトルのティエリ)
ディダスカリコン(学習論)―読解の研究について(サン=ヴィクトルのフーゴー)
神の一性と被造物の多数性について(サン=ヴィクトルのアカルドゥス)
救済の書(イブン・シーナー)
霊魂論註解(アヴェロエス(イブン・ルシュド))
巻末エッセイ 心のなかに「絵」を描く―魂の階梯と形象の彼方(水野千依)
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
修道院教育が厳格化すると、信仰と知の対立が12世紀キリスト教の問題になる。背景には十字軍の遠征でギリシア文献がイスラム圏に移り、アラビア語訳されたアリストテレスの論理学や天文学の書がさらにラテン語訳されてパリの修道士たちへ流入した点にある。カール大帝の改革では書物を読むことが習慣となり、自己に対する反省的思考も信仰的態度の一部となった。本巻の著者たちはさらに進んで、論理と合理によって神に接近し、従来の信仰と齟齬を生む。位格(persona)は神的三位やキリストだけでなく、個々の人格をも表し始めたのである。2020/03/16
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