出版社内容情報
1976年5?6月、ブローティガンは1ヶ月半日本に滞在し、日記のように日々の思いや観察を詩に著した。最後の詩集、待望の再刊。
リチャード ブローティガン[リチャード ブローティガン]
福間 健二[フクマ ケンジ]
内容説明
一九七六年五~六月、ブローティガンは一ヶ月半日本に滞在し、日記のように日々の気分や思い、観察を詩に著した。深いペーソスあふれる最後の詩集、待望の再刊。
目次
キティ・ホークのキモノ
ニワトリの声
日本の子どもたち
新宿の猫
ヒラリー急行
凧
日本人モデル
ロマンス
パチンコ・サムライ
日本〔ほか〕
著者等紹介
ブローティガン,リチャード[ブローティガン,リチャード] [Brautigan,Richard]
1935‐84。アメリカの小説家・詩人。1935年、ワシントン州タコマ生まれ。58年、サンフランシスコに移住し、ビートニクの作家たちと交流しつつも独自の詩作を続け、64年、『ビッグ・サーの南軍将軍』(藤本和子訳、河出文庫)で小説家としてデビュー。84年、ピストル自殺
福間健二[フクマケンジ]
1949年、新潟県生まれ。首都大学東京名誉教授。詩人、映画監督として活躍、詩集『青い家』(思潮社)で萩原朔太郎賞、藤村記念歴程賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
94
1976~77年頃、ブローディガンが日本に来日しそこで出会った東京の町、人、雰囲気そして自分の気持ちを短い誌として発表したもの。外国人が日本に来ると当たり前の物や行動がとても不思議で斬新なものに見えるそうだ。今どきはネットではそんな動画がたくさん公開されている。ブローディガンはまるで私たちが生活の中で一瞬頭をよぎったことまでを採集して書き留めている。それがどうでもいいことであっても彼にとっては十分文字にすることだったのかもしれない。それと彼の孤立感がとても感じられた。もともとシャイな人だろうか。2017/07/02
しゅう
83
「はじめに」の中で、先の大戦で亡くなったブローティガンの叔父について言及してある。少年時代のブローティガンにとって、日本とは敵国、憎むべき存在だったのだ。時が過ぎて、俳句や仏教や谷崎など文化的に日本に惹かれていった著者は旅嫌いの重い腰を上げて日本を訪れる。その日本滞在中に書かれたのが本書『東京日記』である。あてどなく東京の街をひとり彷徨うブローティガンは、相変わらず孤独で寄る辺ない生き物のように思える。そして紡がれる詩は時にハッとするようなきらめきを見せる。いつでも触れていたい、そんな詩集だ。2025/08/06
市太郎
56
著者が東京で過ごした日々に綴った日記のような詩集。孤独や寂しさがじわりと効いているが絶望的ではない詩の数々。ブローティガンはとても繊細な人だったのだろう。日本では今や海外の人をどこでも見かけるようになったが、この時代では彼はアウトローな存在だった。現在だったら彼は絶対に日本には来てくれなかったと、そんな気もする。内向的な詩を読むとどこかに自分を見つけ出そうとしてしまうが、その詩の中には自分はおらず、その詩の優しさだけが残る。そんな彼の文学はとても素敵だなと思いました。2019/04/22
苺畑序音
48
孤独で、さみしそうで、それでも出逢いもあったようで、よしよししてあげたくなった。結構共感。2017/04/15
紫羊
36
40年前の作品であることを忘れてしまいそうな新鮮さ。2017/05/13