出版社内容情報
思想の「聖化」に反対し、生身の人間の側に立ち続け、人民の大衆への変貌をいち早く洞察した亡命ロシア人。19世紀革命の時代に稀な思索の人が、敗者の側からフランス1848年を考察する主著。
内容説明
一八四八年、フランス二月革命の敗北を目撃して、つねに超越的なドグマに敵対するこの思想家は、革命の成果を簒奪するブルジョワジーを痛罵しつつ、一方、「人民」が「大衆」へと変貌してゆく様をいち早く冷徹に認めながら、なお、生身の個々人が歴史を動かしていくという立場を死守しつづける。マルクスともトクヴィルとも違う一八四八革命論の傑作をゲルツェン研究の第一人者による見事な新訳で読む!
目次
1 嵐の前(船上での会話)
2 嵐の後
3 単一にして不可分なる共和国の第五十七年
4 VIXERUNT!(彼らは生き残った!)
5 CONSOLATIO(なぐさめ)
6 一八四九年へのエピローグ
7 Omnia mea mecum porto(私はすべてを身につけてゆく)
8 ヴァリデガマス侯ドノゾ・コルテスとローマ皇帝ユリアヌス
著者等紹介
ゲルツェン,アレクサンドル[ゲルツェン,アレクサンドル] [Герцен,А.И.]
1812‐1870。帝政期ロシアの思想家、作家。貴族の私生児としてモスクワに生まれる。「ゲルツェン」の姓は父親によって創られ与えられた。農奴解放、専制政治打倒にむけて活動し、逮捕、流刑を繰り返し受けたあと、1847年にロシアを出国。以降、一度も帰国することなく、亡命者として西欧で文筆活動に従事
長縄光男[ナガナワミツオ]
1941年、東京生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。横浜国立大学名誉教授。専攻、ロシア社会思想史、日露文化交流史。訳書に、ゲルツェン『過去と思索』全3巻(筑摩書房、日本翻訳出版文化賞、木村彰一賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Ex libris 毒餃子
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