平凡社ライブラリー<br> 農民ユートピア国旅行記

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平凡社ライブラリー
農民ユートピア国旅行記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 229p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582767889
  • NDC分類 983
  • Cコード C0398

出版社内容情報

農業経済学者がロシア革命直後に描いた未来社会小説。スターリン下の全体主義社会への道行きとは正反対の小農経営に立つ1984年の世界。逆ユートピアの苦みが混じる。巻末論文=藤原辰史

内容説明

世界社会主義革命が勝利し、家庭の台所廃絶法によってブルジョワ社会の最後の毒素が一掃されんとする一九二一年から、主人公クレムニョフは一九八四年のモスクワにタイム・スリップする。そこは、さらに農民革命を経たあとの世界、小農経営に立脚した、実現したユートピアだった。素晴らしく進歩した技術、発展する文化…けれどもそれは、主人公を満足させる社会なのか?オーウェルとは別の、今こそ読まれるべき1984!

目次

社会主義の勝利とわが主人公アレクセイ・クレムニョフを読者各位にご紹介する章
あるソヴェト勤務員の火の出るような空想にゲルツェンがいかに影響を与えるかを語る章
クレムニョフがユートピア国に姿を現わし、ユートピア国のモスクワ女性と二十世紀絵画史をめぐってたのしい会話をするさまを描く章
第三章のつづき。章が長くならないために独立させた章
クレムニョフが一九八四年のモスクワを知るためにどうしても必要な長い章
アルハンゲリスコエでは、お茶うけにバニラ入りヴァトルーシカを八十年間忘れず作っていたことを確認するための章
家庭は家庭であり、永久に存続することを、そのことを望むすべての人に確信させる章
歴史についての章
若い女性読者はとばしてもかまわないが、共産党員にはどうしても読んでもらいたい章
ペーラヤ・コルピの定期市を描写し、恋愛の出てこない小説はからしをつけない脂身みたいなものだとする点で筆者がアナトール・フランスと見解を完全に同じくすることを明らかにする章〔ほか〕

著者等紹介

チャヤーノフ,アレクサンドル[チャヤーノフ,アレクサンドル] [Чаянов,А.В.]
1888‐1937。独自の小農経済理論により、ネオ・ナロードニキ派の理論的指導者として活躍した農業経済学者。農民経営の理論をまとめた『小農経済の原理』は、日本を含め、世界的に影響を与えた。第一次世界大戦下には農民の協同組合の組織化を推進、1917年ロシア革命がおこると土地改革連盟を組織して土地改革プログラムづくりにとつめ、その後も農業協同組合の中央機関の指導者として活躍した。スターリン体制下、1930年に逮捕され、4年後流刑に処され、さらに1937年再逮捕され、処刑された

和田春樹[ワダハルキ]
1938年、大阪生まれ。東京大学文学部卒業。専攻、ロシア・ソ連史。東京大学名誉教授

和田あき子[ワダアキコ]
1938年、岐阜県生まれ。早稲田大学大学院露文学専修博士課程修了。専攻、ソヴェト文学史、ロシア女性史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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綾野理瀬(Ayano Lise)

3
農学者チャヤーノフによる農民ユートピア小説。1921年にソヴィエト革命が勝利して、全世界が社会主義化した。日本は天皇制社会主義化している。チャヤーノは新しいユートピアとして、農民ユートピアを描いたのである。ドイツは20年代そのままで、チャヤーノフのドイツを見る目が面白い。訳文も読みやすく、藤原辰史氏の解説も面白いが、ソ連史と農業史をさらに勉強すればより楽しめると思う。オーウェルと違った1984年。ただし、終わり方はユートピアとは程遠いのが印象的。2016/02/05

Ex libris 毒餃子

3
ロシア革命が工業改革ではなく農業改革に向かったら、というユートピア小説。ソ連批判小説特有のスターリズム批判はなく、小農経済が発展したらこうなる、みたいな雰囲気漂う。スターリンが食物の強制徴発をやって小農体制をなくしていった過程をかんがみると趣深い。ソチ五輪を記念して読みました。2014/03/08

maqiso

1
主人公の知識や展開や章名でユートピア旅行記のパロディ感が強くて面白い。ユートピアの制度が微妙なのが本気なのかパロディだからなのか判断できないが。2020/11/18

1
平凡社ライブラリー788 発行日:2013年6月10日初版第1刷発行 著者:アレクサンドル・チャヤーノフ 訳者:和田春樹・和田あき子 発行者:石川順一 発行所:株式会社平凡社 印刷・製本:株式会社東京印書館 DTP:エコーインテック株式会社+平凡社制作 装幀:中垣信夫 巻末論考:藤原辰史 付録2:ぺ・オルロフスキー2019/04/16

こうず

1
小農経営が産業の主体となった社会主義国家の繁栄という、現実とは違う1984年を舞台とした物語。農業システムや文化との関わりを重視した内容で、社会体制の考察に紙幅を割くことが多い他のユートピア小説、ディストピア小説とは一線を画す。多くの部分で著者の理想とするユートピア観が繁栄されているように見えるが、それでも突き詰めていくと、ここに在るのは農業と文化創造との間の軋轢を解消するために自由が制限されるという、アンチ・ユートピア的な矛盾だ。ラストの主人公の姿は、そうした茫漠とした不安を表しているようにも見える。2015/11/29

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