平凡社ライブラリー
科学的精神の形成―対象認識の精神分析のために

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  • サイズ 文庫判/ページ数 542p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582767605
  • NDC分類 401
  • Cコード C0340

内容説明

電気を帯びた物体にはほこりがくっつく。ゆえに電気は糊である―十七、十八世紀の厖大な科学文献を渉猟して、抱腹絶倒の誤謬へとなぜ人は突き進むのかを検証する。最初の経験への過信、過度な一般化、一元化、実体化、イメージや類推への依存、アニミスム的物体観、…いまもなお私たちに働く「認識論的障害」を乗り越えつづけ、本当の科学的精神に向かうために。科学哲学の傑作。

目次

認識論的障害の概念 本書のプラン
第一の障害、最初の経験
科学的認識の障害となる一般的認識
ことばの障害の例、海錦 身近なイマージュの過度の拡大
科学的認識の障害としての一元的かつプラグマティックな認識
実体論的障害
実在論者の精神分析
アニミスムの障害
消化の神話
リビドーと対象認識
量的認識の障害
科学的客観性と精神分析

著者等紹介

バシュラール,ガストン[バシュラール,ガストン][Bachelard,Gaston]
1884‐1962。20世紀フランスの哲学者、科学哲学者。欧米系の科学哲学とは別の、科学的実践に寄り添ってその諸概念を批判的に分析することを重視するフランス独自の科学哲学、科学認識論(エピステモロジー)を領導し、アルチュセール、フーコーなどに大きな影響を与えた。一方、詩的想像力についての仕事も注目される

及川馥[オイカワカオル]
1932年、宮城県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。茨城大学教授などを歴任。専攻はフランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽん教授(非実在系)

1
感情や凡俗な常識などに揺らされたりなどして認識が間違うとき、科学はできなくなる。18世紀までのアホな科学実験や考察論文を対象に認識論的障害のパターンを見つけて、合理主義の立場に立とうとする。ある意味、白衣を着た修行僧のような人である。そしてそれは古き良き近代主義の黄昏でもあるのだろう。2019/04/23

彼方から

1
現代科学的な考え方はどのように作り上げられてきたのか、というのを前科学的考え方を見ることで理解することが目的の本であるが、それ以上に教育における実践について語っている点が興味深かった。例えば、化学の実験の際、火を噴くとか、色が変わるといった目に派手な実験で科学に興味を持たせるのは、本質の理解に何ら役立たないなどなど。教員を目指す人(理系でなくとも)に読んでもらいたい。2012/05/13

denbe

0
今となっては頓珍漢だがはたして我々がその時代に生きていたら、現代科学と同じ答えが出せるだろうか?2012/05/15

home alone

0
クーンやポパーのような科学哲学を期待していたが、裏切られた。現代科学ではなく、18,19世紀の科学を主に対象にして認識のつまずきとなる事柄を述べている。哲学的な議論を期待していたので、残念。だがいい事言ってる気がした2012/05/03

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