内容説明
田舎から都会に出たよるべない美少女が、すぐに娼館にからめとられ、それからは疾風怒涛、レズビアン、処女喪失、覗き、強姦、フェティシズム、肛門性交、口唇愛、サド・マゾ、男のホモセクシュアル…経験し目撃したありとあらゆるセックスを、微に入り細を穿ち、描写する。十八世紀イギリスが生んだ性愛文学の世界的傑作、そそる新訳。
著者等紹介
クリーランド,ジョン[クリーランド,ジョン][Cleland,John]
1710‐89。18世紀イギリスのジャーナリスト、作家。小説のほかに、ロマンスの集成、戯曲、詩、また医学論文、言語研究、フランス、イタリアの作品の翻訳にも手を染め、痛評をはじめたくさんの雑誌原稿を書いた
小林章夫[コバヤシアキオ]
1949年、東京生まれ。上智大学大学院文学研究科修了。現在、上智大学文学部英文学科教授。文学博士。18世紀イギリス文学を中心に、近代イギリス文学・文化を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
45
キリスト教倫理に縛られた時代への叛逆として誕生した経緯から、性愛文学は国や時代の寛容度を測る目安だ。抑制が厳しいほど大した内容でなくとも検閲や発禁騒ぎとなって歴史に残り、取り締まりが緩和されるとショッキングでも話題にならない。内容的にも「愛はすべてを克服する」で終わるなどサドやロレンスに比べ穏健で、現代に初めて刊行されたなら数あるポルノ小説の一冊として忘れ去られるだろう。ただ18世紀英国で性の犠牲者としてではなく進んで快楽を求める女が描かれたのが、自立した女性を求める文学的潮流に合致したのではなかろうか。2021/04/09
HANA
41
イギリス官能小説の古典。フェティシズムから乱交、レズにホモ、サドマドまで様々なプレイスタイルが記されているが、当時刺激的だったであろうこのようなスタイルも現代日本ではどうもよく耳にする話で刺激に欠ける。当時が偽善だったのか、現代があけすけすぎるのか…。文章も持って回った言い方で冗長。どうもくどすぎて劣情を催すどころではなかった。行為に直接触れないのが当時の文章なのかな。やはり古典は古典で現代の目から見ると違和感があるな、というのが正直な感想。当時のイギリス風俗のあれこれを知るのには役に立ちそうな気がする。2013/12/07
viola
6
イギリス文学の古典だし、いつかは読まなきゃと思っていました。小林章夫氏の新訳とのことで、ようやく読了。性愛小説とは言え、必要以上に騒ぎ立てられているだけだろう、チャタレーくらいなものだろうと思っていましたが、とんでもない。何百年も前に何故出版出来たのだろうというくらい過激な描写。うげー、気持ち悪いー!もうそれしか描いてないですもん。どのあたりがいいのかさっぱり分からず。2012/03/24
わす
1
読者の劣情をそそるように翻訳したとあってエロい。本作はよく一文一文が長たらしいと聞くが、とくに気にならず読みやすかった。全体の3分の1を占める性描写も、作者自身が飽きさせまいとあの手この手で変化をつけている。プレイ自体は似たようなもの(だいたいがキス→乳房を愛撫→合体→中出し)だが、処女喪失に筆下ろし、SMにレズに男色etc. 処女崇拝、巨根賛美、愛する男でないと妊娠しない、巨乳は否定的に描かれており「固く締まった乳房」を良きものとしている。昔の人ってこのおっぱいの形容好きだよな、、2024/12/30
めっちー
1
田舎に住んでいたファニーは両親を亡くして孤児になる。頼る人もいない中、倫敦から一時帰国した女性が面倒を見てくれるとの事で一緒に行くが、女性から見放される。女性が紹介してくれた職業紹介所に行くと…。ファニーがある奥さんに送った二通の手紙から構成されていて、一通目は色々な男と別れを繰り返しながら送るが、二通目は娼館で働く生活を書いている。ファニーは暗い境遇だが悲観的な所はなく、順応して生きている。SMやレズ、ゲイ、障がい者とのプレイ等色々なシチュエーションで繰り広げられる割には初恋の男を愛し続けたのは以外だ。2024/10/21
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