平凡社ライブラリー
ある革命家の思い出〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 335p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784582767490
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0323

内容説明

いよいよロシアの革命運動に参加したクロポトキンは、秘密警察の手によって要塞監獄に投獄される。やがて馬車での脱獄という手に汗握る劇的場面を経て、スイス、フランス、イギリスへと亡命。のちにユニバーサル・マン(普遍人)と称される開かれた精神は、あるべき倫理思想と相互扶助論の思索を深めながら、文学・歴史研究、アナーキズム理論と多彩な活動に没頭する。十九世紀ロシアの気高い精神がみなぎる稀有の書。

目次

第4部 サンクト・ペテルブルグ―西ヨーロッパへのはじめての旅行
第5部 要塞監獄―脱走
第6章 西ヨーロッパ

著者等紹介

クロポトキン,ピョートル[クロポトキン,ピョートル][Kropotkin,Peter]
1842‐1921。ロシアの地理学者・作家・革命家。モスクワの名門クロポトキン公爵の息子として生まれる。58‐62年、ペテルブルグ近習学校、のちカザフ連隊付士官としてシベリアに赴任し、監獄・流刑・自治制度の改革にあたる。67年、軍籍を離脱しペテルブルグ大学物理・数学科に入学。71年、フィンランドおよびスウェーデンの氷河堆積層を調査。72年、スイスにて国際労働者協会を知り、アナキズムに共鳴、帰国後チャイコフスキー団に参加する。74年、逮捕され、ペトロ・パウロ要塞監獄に収監。76年、脱獄してイギリスに亡命。のちスイスに移り、ジュラ連合に参加、機関紙「反逆者」を創刊する。フランスでの活動中に逮捕され、83‐86年、リヨンおよびクレールヴォー監獄。86年、釈放され、ロンドン郊外で数々の著述に従事する。1917年、祖国に帰り、モスクワ郊外に定住

高杉一郎[タカスギイチロウ]
1908年、静岡県生まれ。本名、小川五郎。東京文理科大学英文科卒業。改造社で雑誌「文藝」「時局雑誌」などの編集にあたり、44年応召。ハルビンへ赴く。敗戦後シベリアのタイシェット、ブラーツクのラーゲリに抑留され、49年9月復員。50年以降、静岡大学で教鞭をとり、英文学、児童文学、エスペラント運動、エロシェンコ研究などの分野で幅広い活動を行う。2008年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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無識者

11
基本的に今でも昔でも反体制的な活動やっていていいことない。それでもやり続けるのはさすがである。内容も分かりやすく、親しみやすいようにかかれていて、そういうことって大事なのだろう。鶴見俊輔が、クロポトキンにはまっていたというのもなんたなく納得する。読む側にあまり押しつけない。私は政治活動家のなかでは、常に「迷い」を置いている部類で、バリバリの人からすると物足りない人間だけれども、それでいいんだ。2017/07/02

茅野

1
他の公的な記録などと読み合わせると、記憶違いと思われる箇所、誇張して書かれている箇所も多いが、読み物としては非常に面白い。2023/07/13

KUMAGAI NAOCO

1
お兄さんとともに、シベリアから戻り、西ヨーロッパを回り、次第にアナーキストとして社会主義に目覚めていき、スパイにつけ回されたり、投獄されたり、家族も犠牲になりながらも、自由を求めていく姿を描く。チェ・ゲバラのモーターサイクルダイヤリーの様に、いつも心の中にあったもやもやが、世界中を見て、だんだん形を成していき、それを行動に移せるってかっこいいと思う。2014/04/29

ishii.mg

0
公爵家から人民の中へ。19世紀の教養人にして革命家クロポトキンの自伝。19世紀の監獄や政府のスパイの様子が今から見ればとても単純牧歌的。それでも命がけの人生であることは間違いないが現代の民主主義や社会主義、どっちの看板でもいいが国家の巧妙かつ強圧的な支配とは比較ができない。マルクスについてはあまり書いていないがドイツ人はなんというか中央集権的な支配を好むように書いてあるのみ。なるほど。空想的社会主義としてマルクス主義者にしりぞけられたこの時代の考え方は再評価されるべき。2021/11/28

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