平凡社ライブラリー
ある革命家の思い出〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 262p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784582767438
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0323

内容説明

ロシアの名門貴族に生まれたクロポトキンは、豊かな環境の中で育ち、皇帝の蕃兵を期待されていた。しかし幼い頃から当時の苛酷な農奴制に疑問を抱き、成長とともにその思いは強まっていった。この自伝は、五十代後半に亡命先で書かれたもので、その豊かな感受性は、幼い頃の人々の言葉や心の動き、音楽やダンスの様子などを鮮やかに記憶している。

目次

第1部 幼年時代
第2部 近習学校
第3部 シベリア

著者等紹介

クロポトキン,ピョートル[クロポトキン,ピョートル][Kropotkin,Peter]
1842‐1921。ロシアの地理学者・作家・革命家。モスクワの名門クロポトキン公爵の息子として生まれる。58‐62年、ペテルブルグ近習学校、のちカザフ連隊付士官としてシベリアに赴任し、監獄・流刑・自治制度の改革にあたる。67年、軍籍を離脱しペテルブルグ大学物理・数学科に入学。71年、フィンランドおよびスウェーデンの氷河堆積層を調査。72年、スイスにて国際労働者協会を知り、アナキズムに共鳴、帰国後チャイコフスキー団に参加する。74年、逮捕され、ペトロ・パウロ要塞監獄に収監

高杉一郎[タカスギイチロウ]
1908年、静岡県生まれ。本名、小川五郎。東京文理大学英文科卒業。改造社で雑誌「文藝」「時局雑誌」などの編集にあたり、44年応召。ハルビンへ赴く。敗戦後シベリアのタイシェット、ブラーツクのラーゲリに抑留され、49年9月復員。50年以降、静岡大学で教鞭をとり、英文学、児童文学、エスペラント運動、エロシェンコ研究などの分野で幅広い活動を行う。2008年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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無識者

12
クロポトキンの軍人をやめるあたりまでがかいてある。クロポトキンは恐らく優等生だったのだろうが、それを全く感じさせない人間くささがある。どことなくのんびりとしているような感性で、思想的な余裕があっていいなとつい思ってしまう。僕の方が余裕出てきたら対比として、レーニンも読んでみたい。クロポトキンは優しいおじいちゃんという印象を持ってしまう。2017/04/24

KUMAGAI NAOCO

0
無政府主義者、ピョートル・クロポトキンの自叙伝で、前半は幼少時代から近侍学校を卒業し、シベリアへ行くまで。古くから続く公爵家に生まれながら、亡き母の誰からも慕われる優しさと、兄の聡明さを徐々に発揮していくペエチャ(ピョートルの愛称)の姿に共感しながら、農奴解放前後の帝政ロシアの混乱も見てとれる。2014/04/27

あかふく

0
演劇的な生のはじまり。2013/02/13

ishii.mg

0
帝政ロシア貴族の教育水準の高さ、とりわけクロポトキンの優秀さがわかる。当時の新思潮として進化論、スペンサー、ゲルツェン、ロシア文学の隆盛を同時代で感じているところがなんとも。シベリア開発の先頭に立ち、農奴やシベリア流刑囚への思いも膨らむ。シベリアでは石光真清の時代へつながる帝国主義植民地獲得の様子が垣間見える。アナキズムとはヒューマニズムのことかとも再確認。2021/08/13

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