内容説明
辞書を作るという作業は、楽しいものである。苦労は多いが、苦労は苦痛ではない。辞書を作るものには、何かを意図し、目標とし、成就したいという願望がある。大きくいえば、理想がある。―文字学の系譜と辞書のあり方、自らの文字学について綴った文章と、字書三部作(『字統』『字訓』『字通』)の巻頭文を収録。文字学入門に最適の一冊。
目次
字書を作る
文字学の課題
三部の字書について(字統の編集について;字訓の編集について;字通の編集について;字通に寄せる)
著者等紹介
白川静[シラカワシズカ]
1910年福井県生まれ。立命館大学法文学部卒業。立命館大学名誉教授。2004年文化勲章受章、2006年10月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
4
辞書でなく字書である。乱れた糸を裁くことから裁判での弁論を表す「辞」でなく、家の中で子を育む「字」を選んだのは、漢字の文字面へのこだわりだけでなく、「字」によって育ち成長する東洋文化のイメージも託したかに思える。漢字に古代中国の字源を探求する『字統』、外来の漢字を国字化する際の諸問題を取り上げた『字訓』、伝達文字として国字の中で用いる際の用義を扱う『字通』の3大字書の序文を収録した本書では、著者の厳格な学的態度と共に、漢字を分解して成り立ちを調べる逆行工学(リバースエンジニアリング)的な思考手順を辿れる。2021/01/01
takao
2
ふむ2024/10/05
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