平凡社ライブラリー
中国怪異譚 聊斎志異〈4〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 518p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582766868
  • NDC分類 923.6
  • Cコード C0397

内容説明

本書は、伝奇書の気韻を漂わせている志怪書であって、中国志怪文学の集大成だといっていい。それは、素材の面でも、思想の面でも、構成の面でも、そういえるばかりでなく、すでに十分に爛熟していた口語小説の語り口も体得して、文辞の上にまで斬新な技法を駆使しているのだ。(第一巻所収、「解説」より)。

目次

神様になる(羅祖)
劉という男(劉姓)
薄命の徳(邵女)
袖中の天地(鞏仙)
兄と弟と嫂と(二商)
銀をとる秀才(沂水秀才)
悪役人と幽霊芸者(梅女)
人梯子の道(郭秀才)
笑う死僧(死僧)
鸚鵡の許婚(阿英)〔ほか〕

著者等紹介

蒲松齢[ホショウレイ]
1640‐1715。清代初期の文人。山東省に生まれる。父親から読書人としての教育を受け、19歳で県試に合格するも、科挙の郷試にはついに合格せず、71歳で貢生になるまで、家塾の教師を務める。読書と著述にうちこみ、『聊斎志異』のほかに戯曲、俗曲、詩集など多くの文学作品を残す

増田渉[マスダワタル]
1903年、島根県生まれ。東京大学文学部支那文学科卒業。中国文学専攻。77年没

松枝茂夫[マツエダシゲオ]
1905年、佐賀県生まれ。東京大学文学部支那文学科卒業。中国文学専攻。95年没

常石茂[ツネイシシゲル]
1915年、大阪府生まれ。本名、柳沢三郎。東京大学文学部支那文学科卒業。中国文学専攻。82年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アカツキ

10
こんな凄い人がいたみたいな話が少し増えてきたかな。1巻や2巻ののびのびした感じがなくなってきたのを考えるとそろそろ苦しくなってきた?仙女になった甄氏が登場する「284甄皇后の身がわり」は艶話なのかな。俗世にいたとき気になっていた男をヤり逃げした話に見えて…。仙女ならもうちょっと気の利いた恩返しが出来そうなものだけど。私の中では甄氏は悲劇の女性だったんだけど、二夫に仕える女だからねという感じ?夫の死に殉じるか寡婦を守り続けないとこんな話を書かれるのかと思うと男尊女卑社会の女はツラい。2022/10/08

unknown

3
女に隕石が直撃して死んで蘇生したらなぜかイチモツが生えて男になっていた話(化男)、神人に脇腹を割かれる夢を見た美少年が目を覚ますと双子の赤ん坊を生んでいた話(男生子)、何でも削る魔法の鍬で屋敷の壁を破壊して彼女の寝室に忍び込み、寝息の匂いを嗅いで悦に入った挙句に添い寝するという所業をした上でなおフラグを成立させる話(青娥)、などなど。『青娥』には心なしか蒲松齢先生のフェティシズムを感じる。2011/10/05

やんも

1
狐も幽鬼も、生きた人間よりも情が深く、活き活きとしと存在として描かれているのが志怪小説の特徴だろうか、愛すべき異界の住人たちだ。また、勧善懲悪とまではいわないにしても、因果応報、悪行をすれば子子孫孫にまでたたり、善行をすれば逆境からも奇跡的な逆転ができるという話は、読んでいて気分が晴れやかになる。時折まったくもって不可思議な話、背筋がゾクリとする怪談がさしはさまれていて、飽きさせるところがない。ただ読んでいる間は文章や言葉が理屈っぽくなってしまう。これは自分だけかな?2014/10/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1221497
  • ご注意事項