平凡社ライブラリー<br> クワイン―ホーリズムの哲学

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平凡社ライブラリー
クワイン―ホーリズムの哲学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582766837
  • NDC分類 133.9
  • Cコード C0310

内容説明

「外的世界についてのわれわれの言明は、個々独立にではなく、一つの集まりとしてのみ、感覚的経験の審判を受けるのだ」とすれば科学も、一つ一つ蓄積された真理の体系ではなく、神話と同様の(効率よい)信念体系にすぎない―。現代論理学から出発し、言語の理解と使用についてあざやかに踏査するクワインの思考を、手をとって案内する必読書。

目次

序章 修業時代
第1章 カルナップとクワイン
第2章 ホーリズム
第3章 翻訳の不確定性
第4章 存在論とその相対性
第5章 認識論の自然化

著者等紹介

丹治信春[タンジノブハル]
1949年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(学術、東京大学)。現在、日本大学文理学部教授。専攻、科学哲学、言語哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ecriture

6
正しい翻訳は決められない、ただ複数の翻訳が「使える」だけだとする「翻訳の不確定性」が大変小気味良い。「信念」が存在論的相対性のもとにあるとき、「文化帝国主義」などもはや問題にはならないのだとする論の運びもきれいだと感じる。プラグマティズムが社会の複雑化に逆行する妥協の産物ではなく、必要十分な保守性を備えた魅力的な思想として立ち上がってくる。2010/04/24

ステビア

4
読者数に驚き2013/12/12

大道寺

4
20世紀後半の分析哲学に大きな影響を与えたアメリカの哲学者クワインの人生と哲学についてわかりやすく書かれている。クワインは論理学者でもあり、論理学方面での業績も多々あるようだが、記号論理学に深入りしなくても読めるように、一般の読者向けに書かれた本書では触れられていない。(1/4)2012/08/15

左手爆弾

2
数理哲学と現代論理学を若い時期からものすごく速度で吸収し、論理実証主義と分析哲学に進む。ラッセルやカルナップの影響は強いが、常にその批判者でもあった。究極的に、命題は規約的でしかない。言語の問題から科学哲学へと進むと、「外的世界について個々の言明は集合としてのみ経験の審判を受ける」というホーリズムのテーゼが前面化してくる。そこには「プラグマティズム」が見られ、「観念」を持ち出すことに強く抵抗する。翻訳の不確実性は「翻訳は不可能」ではなく「あらゆる翻訳が可能」という問題である。2016/09/05

なつめいろ

2
①初出の概念には必ず説明があるので予備知識はほとんど要らない。というかこの本を読んでそういう意味だったのかと腑に落ちることが何度もあった。クワイン哲学だけでなく、哲学一般のよい勉強になります。②ホーリズム、翻訳の不確定性、認識論の自然化などクワインの多岐にわたる思考の関連性がしっかり説明されていて芋づる式に理解が進む。③地味な議論の積み重ねがとんでもないところに連れて行ってくれるということを体感できた。私の「本当の信念」を決めるのは私自身だという自明に思えることが、実は言えないかもという結論はしびれた。2015/01/22

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